夢はでっかく3冠王! 「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が20日に都内で開催され、阪神は外れ1位で中大・森下翔太外野手(4年=東海大相模)を指名した。

大学侍ジャパンにも選ばれた右の長距離砲は走塁、守備でも魅せる三拍子ろった超攻撃野球が持ち味。3冠王を目標に掲げた大砲候補に、岡田彰布監督(64)は来春のキャンプ1軍発進を明言。来季は大山、佐藤輝の“ドラ1中軸”も夢ではなさそうだ。

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森下の名前が会見会場に響き渡ると、チームメートの歓喜に包まれた。「正直ビックリしています。順位に恥じないように頑張っていきたいです。(本塁打に加え)打点、打率でも1位になりたい。球界を代表する選手になりたい」。将来の3冠王を目標に掲げた。

フルスイングから広角に繰り出すパワー自慢の右の長距離砲だ。清水達也監督(58)は「強く振る能力は(中大OBで2学年上のDeNA)牧より上」と分析。森下は「出塁したら次の塁を狙う。守りも見てほしい」と走攻守でアピールする意気込みで早速、大山への弟子入りも志願した。「大山選手は同じ右打者で勝負強く長距離も打てる。どういう意識で打撃をしているのかを聞いてみたい」。岡田監督はこの日、春季キャンプの1軍発進を明言。来季いきなり、大山や佐藤輝らとドラフト1位の中軸トリオを組めれば最高だ。

大学1年で公式戦デビューし、日本代表にも選ばれた。徹底的な内角攻めで2年は春、秋とも打率1割台と低迷したが、牧に夜間練習に誘われ、並んで黙々とバットを振った。「練習は自信にもつながる」。徹底的に振り込み、持ち味のフルスイングを思い出した。食事に加え、プロテインを1日4杯。ウエートトレでひと回り体を大きくし、怪力自慢の主砲に進化した。

4年春には2度目の大学日本代表にも選ばれたが、大会直前の練習試合の死球で右手を骨折。全治3カ月の診断を受けたが、チーム同行を買って出た。練習補助、一塁コーチを務め、サポート役に徹し、「チームプレーの大切さを知った」という。秋のリーグ戦では、ベンチで誰よりも声を出し、バントやエンドランも敢行。勝利に貢献し、現在は東都リーグの優勝争いまっただ中で奮闘中だ。

東海大相模では、4番で3年春のセンバツに出場して4強入りしたが、4試合で4安打2打点と勝利に貢献できなかった。プロ志望届を出したいと当時の門馬敬治監督(52=現創志学園監督)に相談したが、ハートの弱さを理由に断念した。「(大学)4年間でメンタルが成長しました」。心身ともに成長した手応えがある。第2次岡田阪神のドラ1として、甲子園で大暴れする。【保坂淑子】

森下翔太(もりした・しょうた)

★生まれ 2000年(平12)8月14日生まれ、神奈川県横浜市出身

★サイズ 182センチ、90キロ。右投げ右打ち

★球歴 横浜市日限山小1年時から野庭日限フェニックスで野球を始め、日限山中進学後、戸塚シニアでプレー。東海大相模では阪神遠藤成の1年先輩で、1年夏からベンチ入り。3年春センバツ4強。高校通算57本塁打。中大では1年春から出場し、ベストナイン。大学日本代表にも選ばれた。4年春に2度目のベストナインを獲得し、2度目の日本代表入り。大学通算9本塁打。

★趣味 体を動かすことが好きだが、走るスポーツは苦手。「小さいころは鬼ごっこも走るので苦手。隠れんぼの方が好き」。休日は、ボーッとしていることがほとんど。年末年始は、友人とグランピングに出掛けて楽しんだ。

★阪神&甲子園のイメージ 甲子園はセンバツで打てなかったので、いいイメージがないという。「プロで塗り替えたい」。

★自分を動物に例えると 負けず嫌いなので、ガンガン行く強いイメージでライオン。

★対戦してみたい投手 東海大相模の先輩の巨人菅野、中日小笠原。「打てたら最高の結果です」。

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