球団史上初の2年連続日本一を目指したヤクルトは、2勝1分けからまさかの4連敗で終戦となった。

1点を追う9回2死走者なし、塩見が空振り三振に倒れてゲームセット。その瞬間を冷静に見届けた高津臣吾監督(53)だったが、ファンの前に整列すると、悔しそうに涙を浮かべた。

報道陣の前でも初めて悔し泣き。約20秒間の沈黙の後「やっぱ悔しいね。この悔しさは絶対忘れちゃいけない」と絞り出すと「思い返せば苦しいことばかり。弱音も吐かず、選手はよく頑張ってくれたと思います」と選手をたたえた。

シリーズ後半戦は守備の乱れが続いた。第5戦は守護神マクガフが自らの失策から同点とされ、吉田正にサヨナラ2ランを被弾。第6戦でも1点ビハインドからマクガフの悪送球で追加点を奪われ、王手をかけられた。この日も、5回無死一、二塁からバント処理の連係ミスで無死満塁。その後に押し出し死球で1点を献上。なお2死満塁、杉本の打球を中堅塩見が痛恨の後逸で走者一掃を許した。指揮官は「本当に強いチームをつくるんだったら、ミスを少なくしていかなきゃいけない」と引き締めた。

敗戦の瞬間に静まり返ったベンチだったが、マウンドの歓喜の輪を、目に焼き付けるかのように見届けた。野村監督が率いた90年代の黄金期でも出来なかった日本一連覇こそならなかったが、29年ぶりのリーグ連覇を達成。高津監督は来季へ向け「強いチームをつくりたいと思います」とキッパリ。悔しさをバネに「チームスワローズ」はさらに強くなる。【鈴木正章】

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