日本ハムの新コーチ就任会見が1日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で行われた。1軍投手コーチに就任した建山義紀氏(46)は、新庄剛志監督(50)から質問攻めを浴びてタジタジになりながらも、最強投手陣再建を誓った。1軍外野守備走塁コーチに就任した森本稀哲氏(41)は新たな元気印となる「ポスト杉谷」発掘にも意欲を見せた。

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建山氏は会見で「強い投手陣をつくれたら」と抱負を語った。投手運用を任される来季。具体的にどんな考えを持って臨むのか。それが一番気になっていたのは“新庄記者”。報道陣に「伊藤君の抑えについて聞いて」と質問をリクエストしていた新庄監督だ。建山氏の左後ろに陣取り、その質問に答える建山氏の言葉に耳を傾けた。

建山氏 臨機応変に。今年はリリーフが防御率も悪かったし、そこで試合を落とすこともあったので整備は大事になってくる。それも1つの案としては考えています。でも、それって一番簡単な決断。彼が抜けたら先発も手薄になる。彼が先発にいながら、いい抑えがいるのが、一番いい。

興味深く聞いた“新庄記者”は二の矢、三の矢と質問を次々とぶつけた。

新庄記者 鈴木君は先発ローテに入ってきます?

建山氏 その可能性も十分あります。

新庄記者 (阪神から移籍してきた)斎藤君がブルペンでアウトハイ(外角高め)行きますと言って投げたらインロー(内角低め)にバシバシ決まっていた。だから、インローに投げたい時はアウトハイを狙うイメージ、というのもアリ?

建山 やっぱり基本は、思ったところに(投げるのが一番)。どうにかするのが僕の仕事なので、はい。

新庄記者 (中継ぎに)回またぎはさせたくない?

建山氏 そうですね。新庄さんは「この打者に、この投手はタイミングが合わない」とか考えるのがものすごく得意。すごく大事ですけど、投手もリズムがあって。できればイニングの頭から行くのが楽なので。

新庄記者 いい投球したら、行かせたくなるのよ。

建山氏 イニングをまたぐと疲労感がちょっと違う。200メートルを1本走るのと150メートルを2本走るのと、みたいな感じです。

新庄記者 そんなにきついんだ、投手って。

建山氏 イニングまたぎは必要な時は絶対あるけど、基本的には難しいです。僕はいつも四球を出してました。(力を)出し切った子は代えた方がいいです。

新庄記者 そこは任せます。(先発の)中4日というのはある?

建山氏 球数に余裕があれば。

新庄記者 おっ! 中4日野球、したいですよね。

指揮官直々の熱心な“取材”に建山氏もタジタジだったが、きっとこんな話し合いをしながら最強投手陣を構築していくことになりそうだ。【木下大輔】

◆建山義紀(たてやま・よしのり)1975年(昭50)12月26日、大阪府生まれ。東海大仰星では上原浩治(レッドソックス)と同級生だった。甲賀総合科学専門学校-松下電器(現パナソニック)。98年ドラフト2位で日本ハム入りし、04年最優秀中継ぎ。10年オフに海外FA権を行使して米レンジャーズへ。ヤンキースを経て14年6月に阪神へ移籍し、同年限りで現役を引退した。メジャー通算53試合で3勝0敗1セーブ、防御率5・75。日本通算446試合で35勝43敗27セーブ、防御率3・43。

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