ソフトバンクの宮崎秋季キャンプに、救世主候補が現れた。第1クール初日の3日、コートニー・ホーキンス外野手(28)がテスト参加。今季は米独立リーグで本塁打と打点の2冠、リーグMVPを獲得した大砲が入団へアピールした。異色の経歴は、米独立リーグ2年連続MVP&本塁打王から今季23本塁打を放った巨人ウォーカーとかぶる。藤本博史監督(58)も「いいと思います。日本向き」と絶賛した。

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バスから降り、球場入りするソフトバンク選手の中に、見慣れない顔があった。190センチ超の大きな体に、立派なヒゲとサングラス。風格たっぷりの男は、今キャンプに入団テストを兼ねて参加した新助っ人候補ホーキンスだった。

ホーキンスはフリー打撃で場外弾を放つなど、パワフルな姿を披露した。ケージ裏から熱視線を送った藤本監督は「ぼくはいいと思いますよ。タイミングの取り方とかも日本向きだなと思う。面白いんじゃないかな。打撃にも研究熱心。1日目の評価としては上出来じゃないですか」と高く評価した。9日まで参加の予定で、8日からの第2クールではシート打撃などの実戦形式も行い、獲得するかどうかを検討する。

ホーキンスは12年のドラフト1巡目でホワイトソックスに指名されたが、メジャー出場はなく、今季は米独立リーグでプレーした。127試合の出場で48本塁打、125打点の2冠。打率も2割9分8厘をマークしリーグMVPに輝いた。

独立リーグ経由としては、今季の巨人で23本塁打を放ったウォーカーと重なる。ウォーカーはホーキンスと別リーグながら、独立リーグで20、21年に本塁打王とMVPを獲得。来日1年目から力を発揮した。

ソフトバンクでは駐米スカウトからの推薦があり、今回のテストが実現。松本国際部部長は「それがないかといったらありますよね、やっぱりね」と、ウォーカーの活躍が独立リーグ選手の評価への後押しになっていることを明かした。

今季、主に左翼を守ったグラシアルは今季限りで退団の可能性もあり、右打ちで外野手のホーキンスはチームの補強ポイントとも一致する。残りのテスト期間でアピールを成功させ、リーグV奪回への救世主となれるか。【山本大地】

◆ソフトバンクの来季助っ人事情 複数年契約で残留するガルビスは、主に三塁や遊撃など内野を守る。単年契約を終えたデスパイネは去就未定だが、残留であればDHが中心になる。同じく単年契約で今季まで左翼を守っていたグラシアルは、退団の可能性がある。投手陣では複数年契約のスチュワート、モイネロが残留で、単年契約のレイは退団する見込み。

◆巨人ウォーカーの今季 来日1年目で124試合に出場し、打率2割7分1厘、23本塁打、52打点。主に左翼を守った。シーズン当初は内野への返球が自分の足元にワンバウンドするほどだったが、毎日のように亀井外野守備兼走塁コーチと守備練習。ブルペンにも入り、スローイングを基本から学び直した。6月28日の中日戦では、ノーバウンド返球で本塁補殺を決めるまで成長した。