国内フリーエージェント(FA)権を取得していた阪神岩貞祐太投手(31)が9日、兵庫・西宮市の球団施設で会見を開き、権利を行使せずにタイガースに残留することを表明した。残留が基本線とみられた中で、甲子園や鳴尾浜で練習を続けながらギリギリまで熟考を重ね、9日の朝に決断した。新たに3年契約を結んだ。

背番号17のユニホーム姿で会見場に現れた岩貞は「タイガースからは自分が想像するよりもいい評価をいただいた」と明かした上で、答えを出すまでに時間をかけた理由について「練習中、キャッチボールでいいボールがいったら、自分に自信が出てきて、よそで活躍できるんじゃないかと思ったり、逆に甲子園に入ってみたらここが一番良いと思ったり、その時々で気持ちが揺らいだ。でも阪神のユニホームを着て優勝したいという思いがあった。そこは変わらなかった」と説明した。

また来季から、尊敬するOBの能見篤史氏(43)の阪神時代の背番号14を背負うことも明らかにした。交渉の中で球団から提案され「軽い番号ではないですし、10年以上もあこがれている方がつけている番号(を)と言われた時にはものすごく響きました。本当は能見さんが退団される際に言いたかったんですけど見合った成績でもないですし、今回は球団からそういう話をされたというのが、自分の中ではとてもうれしかったです」と、しみじみと喜びを語った。

今季は救援で53試合に登板し、2勝1敗、11ホールド、防御率2・57の活躍。背番号も変わり、新たな3年に向けて「3年全部、優勝する、それしかないですね」と言葉に力を込めた。