広島から無償トレードで巨人に加入した長野久義外野手(37)が15日、古巣での2度目の入団会見に臨んだ。都内ホテルの会見場で4年前まで愛用した「背番号7」も披露。同席した原辰徳監督(64)は人的補償での放出から4年越しの思いを吐露した。ソフトバンクから加入した松田宣浩内野手(39)も入団会見で新天地のユニホームに袖を通し、原監督と並んで「熱男」の予行演習をした。

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引き締まった表情に適度な緊張感を漂わせた。長野は開口一番に「久しぶりにジャイアンツに復帰することになりまして、すごく楽しみですし、とにかく今はやる気に満ちあふれています。一生懸命頑張ります」と決意表明した。

5年ぶりの古巣復帰までの過程は隣に座る原監督が包み隠さずに説明した。「秋に入ろうかというときにカープ球団から長野に話がありました。我々もしっかりと考え、みんなで相談し、結果はぜひジャイアンツに戻ってきて、戦ってもらおうという決意のもと今日誕生したということです」と言った。

指揮官は4年越しの思いも吐露した。「FA制度で28人プロテクトという中で彼が当時、29番目だった」と明かした。19年1月に丸のFA移籍に伴う人的補償リストから広島が指名したことに「まさかという気持ちもありましたが、長野は認められる選手だと思い、心の中で拍手を送った」。だが「今だから言えるところですが、少し悔しい思いをした」が親心であり本心だった。

長野本人も思いを受け止めた。「監督もおっしゃったようにルール的にも問題ないですし、そういうふうに思っていただいていただけありがたい。本当に4年間いい経験をさせてもらったので丸君に感謝してます」と前向きに捉えた。

大学、社会人でドラフトを2度拒否して、巨人でプロ入りした。1度は放出されるも、再び巨人に舞い戻った。不在の間、「背番号7」は復帰を待ち望むかのように空き番のままだった。運命にたぐり寄せられたベテランは「2012年のリーグ優勝、日本一が記憶に残っています。あの時の銀座のパレードを若い子に経験してほしいと思いますし、来年、必ず日本一になれるように、みんなで力を合わせて頑張りたい」と言った。【為田聡史】

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