来年3月に行われる第5回WBCの1チームのベンチ入り人数を、前回大会までの28人から2人増やし30人とする案が検討されていることが18日、分かった。メジャー関係者によると、12月上旬にウインターミーティングの開催地、米国・サンディエゴに侍ジャパン栗山英樹監督(61)はじめ各国の監督が集結。WBC監督会議が開かれる。ベンチ入り人数など、大会ルールの確認を行う場となりそうだ。

1チーム30人となれば、06年の第1回大会以来。第2回から前回までは28人だった。理由として、選手の負担軽減が考えられる。今回から本戦参加国が16から20に増加。1次ラウンドは3試合から4試合に増える。さらに東京での準々決勝を勝ち上がったチームは、すぐに渡米し、時差を入れても、わずか中3日ないし4日で準決勝に臨む。従来にない過密日程が待つ。

枠が増えることで、より幅のある代表選考も可能となる。侍ジャパンの最終候補に2人の日系選手が含まれていることが判明。日系2世で今季14本塁打を放ったカージナルスのラース・ヌートバー外野手(25)と、日系3世で今季打率2割9分8厘、19盗塁、ゴールドグラブ賞にも輝いたガーディアンズのスティーブン・クワン外野手(25)だ。初の試みは「勝つ形を探る責任がある」と話す栗山監督の決意の表れと言える。最終メンバーに残れば、勝ち進んだ時のオプションとして米国での準決勝からの参加も考えられる。故障離脱をのぞけば、大会途中でのメンバー交代も初の試み。世界一奪回へ、柔軟な発想で最強の布陣を目指す。

◆ラース・ヌートバー 1997年9月8日、米カリフォルニア州出身。18年ドラフト8巡目でカージナルス入り。21年に初昇格し、メジャー通算は166試合で打率2割3分1厘、19本塁打、55打点。母が日本人。190センチ、95キロ。右投げ右打ち。

◆スティーブン・クワン 1997年9月5日、米カリフォルニア州出身。18年ドラフト5巡目でインディアンス入り。今季開幕戦でメジャーデビューし、147試合に出場。新人王得票は3位だった。母方の祖父母が日本人。175センチ、77キロ。左投げ左打ち。