2年目の飛躍へ吉兆弾? 日本ハム有薗直輝内野手(19)が20日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で起きた思わぬハプニングをきっかけに早期の大ブレークを強く誓った。秋季練習最終日のフリー打撃で放った大飛球がワンバウンドで今季の首位打者・松本剛外野手(29)の愛車に直撃した。幸いにも大きな破損はなかったが、先輩から期待と愛情たっぷりのダメだしを食らって平謝り。来季は1軍で大活躍し、修理代を弁償するという目標を立てた。

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鎌ケ谷に「ゴン」という鈍い音が響いた。有薗が放った三塁側ファウルゾーンへの大飛球がワンバウンドして、勇翔寮の入り口付近に駐車してあった松本剛の愛車のルーフ部分に直撃。「手応えは…よかったです。(内角球を)いい感じにさばけたんですけど…」と、苦々しい表情で振り返った有薗は少しへこんだ部分を見て「うわー」と、申し訳なさでいっぱいだった。

自主練習で鎌ケ谷を訪れていた松本剛とは、秋季練習のメニューが終わった後に球場内の食堂で顔を合わせ、すぐに謝罪した。

松本剛 お前、どこに打ってるんだよ(笑い)。

有薗 すいません! すいません!

松本剛 あそこに打ってもファウルなんだから、センターに打てや(笑い)。

懐の深い松本剛は「これくらい、すぐに直るでしょ」と傷ついた愛車については不問としたが、打撃の内容は期待を交えながら愛情たっぷりにダメ出しした。

松本剛 まず、ここに打ってる時点でダメでしょ。方向的にもファウル。だいぶ引っ張り込んでいる。センター返しは意識してほしい。僕は春先に見た時から、スイングがいいなと思っていて、いい選手になると思って見ている選手。有薗のいいところは、右中間に大きい当たりが打てるところ。僕はそこが魅力だと思っているので、磨いてくれたらうれしい。

思わぬハプニングを起点に、貴重なアドバイスをもらった有薗も「本当ですか?」と驚きながら感謝した。この1年でのパワーアップも実感し、今季大当たりだった首位打者の愛車に当てた吉兆? を生かしたい将来の主軸候補は「コースに逆らわない打撃が持ち味。しっかりオフは練習して、来年は活躍して修理代を出せるようにしたいです」。気持ちを新たにした。【木下大輔】