日本ハムの育成ドラフト3位、テキサス大タイラー校中退・山口アタル外野手(23)が26日、札幌市内で行われた新入団発表会見に出席した。ドラフト会議後は初めての取材対応に臨み、ベールに包まれていた素顔を明かしてくれた。

 

★両親 父は日本生まれ日本育ちの日本人で、母はギリシャにルーツを持つが、カナダ生まれカナダ育ち。「お父さんは23歳の時にカナダに来ました。たまたま、お母さんが日本に行く予定があり(日本での)ガイドが必要なので、それで出会ったという感じ」。

★幼少期 テレビゲームが大好きだった。「お父さんと野球ゲームしていた時は阪神ファンだった。“自分は鳥谷、金本、新井”とか言って、お父さんと遊んでいた」。

★野球を始めたきっかけ テレビゲームが大好きだった山口アタル少年だが、8歳の時に友達から「運動しろ」と言われてスポーツを始めることに。父に「僕はフェラーリに乗りたい」と将来の夢を伝えると、父はプロ野球選手を勧めてくれた。「だから僕、野球やりますって言った」。

★野球経歴 12年にリトルリーグの世界大会でカナダ代表メンバーとして出場。その際に「僕はダルビッシュ選手が一番好きと言った。そこで(日本代表で世界一となった)清宮選手と会って一緒に写真を撮りました」。これまで経験したポジションは内野手と投手。大学入学後は投手だったが、「ピッチングはコントロールが悪くて、プロに行く才能はないかなと思った。でも、野球をやめたくないなと思った、フィジカルは才能があるから、バッターに転向しよう」と、今年6月から野手転向。「3年ぶりにバットを振り始めた。この夏」。

★来日経験 大阪に祖母の自宅があり、2年に1度は来日していたという。今回で「9回目ぐらい。長くても1週間、おばあちゃんのところに行くぐらい。(ドラフト会議前の)9月に来て1カ月(日本に)泊まったのが一番長かった」。

★日本語 片仮名と平仮名は読めるが、漢字は「ちょっと読める」。書くことは苦手。話し言葉は父から学ぶだけでなく、日本のアニメやバラエティ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」などを見て勉強した。「ちょっと変だったり、無礼だったらすみません。普通に日本語を勉強すると難しいから、ガキの使いとかで習いました。これから勉強したいと思います」。

★フィジカルモンスター 大渕隆GM補佐兼スカウト部長は山口の身体能力について「フィジカルモンスター」と表現。投手時代は最速153キロ。ティー打撃での打球速度は最速167キロ。立ち幅跳びは3・2メートル。山口は「そこそこ足は速い」と、20メートル走は2秒85。トレーニングではデッドリフト、ベンチ、スクワットが得意。「フィジカルは自信があるけど(野手としては)経験不足。そのギャップを1年で縮めたいと思います」。