中日が9日の現役ドラフトで、DeNAから細川成也外野手(24)獲得した。DeNAも中日笠原祥太郎投手(27)を指名。1対1の交換トレードの形になった。パンチ力が売りの細川は、のびしろたっぷりの右の大砲候補。最下位からの逆襲を期す2年目立浪竜にとって、得点力アップの強力ピースが期待される。

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中日に和製大砲候補が加わった。DeNAから加入する細川は20年のイースタン・リーグで、最多本塁打、最多打点を記録した大砲候補。層の厚いDeNAの外野手争いでは埋もれたままだった。加藤球団代表は「立浪監督と事前に相談をして、獲得は野手優先で、と考えていた。細川選手はスカウトから、パンチ力があって、何かのきっかけで十分、戦力になると報告を受けていた」と経緯を説明した。

立浪新体制で臨んだ今季も得点力不足が浮き彫りで、最下位に沈んだ。来季巻き返しを期し、新外国人はメジャー41本塁打の右の長距離砲、アリスティデス・アキーノ外野手(28)を獲得。さらに20年まで3年間中日に在籍した両打ちのソイロ・アルモンテ外野手(33)と巧打の右打者、オルランド・カリステ内野手(30)も獲得した。外野手には2年目の鵜飼らが控えるが、細川の加入で攻撃力強化をさらに進めた格好だ。 笠原がDeNAに指名され、1-1の交換トレードの形になった。細川と笠原には因縁もある。17年10月3日の横浜スタジアム。細川が「5番右翼」でプロ初出場した時の対戦投手が笠原で、1回に中越え3ランを放ち、初打席、初安打、初本塁打、初打点を記録した。今度はユニホームを交換し合って、相まみえる。

細川も気合十分だ。DeNAを通じて意気込みを明かした。「DeNAでの6年間、多くの方々に支えていただき、本当に感謝しています。ファンの皆さまの応援がすごく心強かったです。今後は新天地で活躍している姿をお見せできるよう頑張っていきたいと思います」。立浪竜の攻撃力アップのピースになって、古巣への恩返しを果たす。【伊東大介】

◆細川成也(ほそかわ・せいや)1998年(平10)8月4日生まれ、神奈川県出身。明秀学園日立から16年ドラフト5位でDeNA入団。17年10月3、4日中日戦で高卒デビュー2試合連続本塁打。同年日本シリーズで初打席初安打。20年2軍で本塁打王、打点王、最高出塁率。179センチ、93キロ。右投げ右打ち。外野手。来季推定年俸990万円。

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