出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる「現役ドラフト」が9日、オンラインの非公開で初めて行われた。各球団が指名対象を2人以上出し、必ず1人は出て1人は入る仕組み。日本野球機構(NPB)の保科求己法規室長が議長を務め、午後1時から約45分で終了。同5時に指名結果が発表された。

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初めての現役ドラフトを、プロ野球選手会の森事務局長は評価した。他球団で活躍できそうな選手が多いのではと問われ「比較的、そのように感じます。選手会が望んでいたものに近い形だった」と答えた。選手会から移籍する12人に連絡したところ「みんな、ポジティブに捉えていた」という。来季以降の課題については「まだ検討できていない。今回、移籍した選手の活躍を見てから。みんな活躍してくれて、成功となる」と今後に期待した。

NPB選手関係委員会委員長として選手会との折衝にあたった広島鈴木本部長は、評価を「実際に選手が1年間、使われるのか、戦力外になるのか、いろいろある」と移籍先での活躍次第と強調。シーズン中の開催案もあった時期については「難しいところ。来年になって検証すればいい」。改善点があるか、選手会と話していくつもりだ。

○…2巡目指名を希望する球団はあったが、移籍は成立しなかった。広島鈴木本部長が「(2巡目指名を希望する球団が)全部最終的になくなった」と話した。2巡目指名は希望した球団間でのみ行われるため、欲しい選手の所属球団が参加していなければ、指名せずに棄権できる。結果、指名は行われなかった。なお、移籍する12人を育成契約に替えられるかについて、選手会の森事務局長は「できない。支配下登録した選手(の移籍)だから」と否定した。

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