ロッテ佐々木朗希投手(21)の懐かしい顔を見た。「第63回2022年報道写真展」(東京写真記者協会主催)が14日、東京・日本橋の三越本店で始まり、テープカットに参加した。

完全試合に13者連続奪三振。偉業は22年の大ニュースの1つだった。協賛社の株式会社ニコンからカメラを贈呈された。報道陣から「撮るまねをしてください」と要望されると、右目をつぶり、左目でファインダーをのぞいた。

プロ1年目の20年2月、キャンプ地の沖縄・石垣島で単独インタビューを行った。最後に「これで自由に撮ってみてください」と一眼レフを渡した。いつも自分を撮りまくる大人たちをどう料理するのか。高校時代、大勢のカメラマンに囲まれる佐々木を見ながら「いつかお願いしてみたい」とひそかに練っていた。

興味津々に機材を持つと右目をつぶり、左目でファインダーをのぞいた。カメラマンによると「佐々木君は左目が利き目、と言えると思います」とのこと。セットポジションで投げる佐々木朗。相手打者や捕手により近い体の左側で、多くの情報を拾っているということになる。

一眼レフに触れたこともほぼなかったという当時18歳は、短時間の操作説明だけで見事にピントを合わせてきた。被写体をカメラマン2人にした。2人は左右に並んで立ち、1人が少しだけ前に出た。「2人の中心にピントを合わせると、2人とも少しぼやけます。でも佐々木君の撮った写真は、2人にピントが合っている。1人にピントを合わせてから構図をずらすと、こうなります」と、こんなところでもセンスの良さを見せていた。

一番驚いたのは、頼んでもいないのに「はーい、こっち見て笑ってくださーい」「もっと笑顔くださーい」とノリノリで、よく聞くであろうカメラマンのセリフをマネしながら撮ったこと。この日新たにマイ機材をゲットし「きれいな風景を」と話していた。今季から始めたSNSでぜひ、撮影写真を見てみたい。なお、ファインダーをのぞきながら白い歯を見せるのも、ルーキー時代と変わらなかった。【金子真仁】

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