今年のソフトバンクは、先発ローテーション争いが熾烈(しれつ)を極めそうだ。昨季まで7年連続で2桁勝利を挙げた千賀が米大リーグのメッツに移籍。エース不在の中で、キーマンになりそうな投手が、今年から先発に転向する藤井皓哉(26)だ。

藤井は20年オフに広島を戦力外となり、21年は四国IL・高知でプレー。昨季から育成選手としてソフトバンクに加わり、支配下登録を勝ち取ると、チームのセットアッパーに急成長。ライバルチームの強打者をナデ斬り、登板55試合で5勝1敗3セーブ、22ホールド、防御率1・12の好成績を残した。

昨シーズン終了直後に藤本監督から先発転向を打診され、「やれるのであればやらせてもらいたい」と即答。秋季キャンプから、スターターを見越してのトレーニングに励んできた。「リリーフを1年経験して、長いイニングを投げられる投手がいれば、リリーフ陣にとっても大きい」。投球回170イニングを目標に掲げている。

実績組の東浜、石川はローテーション入りの有力候補で、ベテラン和田も健在。昨季、頭角を現した大関と板東も争いをリードしている。さらには守護神も務めた森が先発転向。故障からの復帰を目指す武田や、田中正、杉山、椎野。新外国人のガンケル、ドラフト2位ルーキーの大津も候補に挙がる。

藤本監督も先発構想の一端を明かす。「投げる方では千賀が抜けて、そこに入ってくる投手ですよね。候補はたくさんいますよね。大関とかね。板東、あるいは石川、東浜、和田。先発に変わる藤井ね。この6人は期待したい。いろいろ候補は作って、その中から6人を選んだらいい」。2月のキャンプイン初日から、激しい先発バトルのゴングが鳴る。【山本大地】