今秋のドラフト候補を「ニッカン・オリジナルカード」付きで紹介する新春企画の最終回は、社会人・独立リーグ編。

野手の目玉候補に挙がるのはENEOS・度会隆輝外野手(20=横浜)。22年の社会人野球でベストナインと最多本塁打賞(7本)、最多打点賞(21打点)の3冠を達成した好打者だ。

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着実に、夢の舞台へ近づいてきた。度会は高卒3年目の今年、2度目となるプロ挑戦の年を迎えた。横浜時代には指名漏れを経験。「その悔しさもあって、ENEOSに来られたから今の自分がいる。ドラフト1位は小さい頃からの夢。かなえないといけない」とプレッシャーをかける。

社会人1年目の21年、内野手から外野手へとポジションを変え、都市対抗の初戦JR東海戦で本塁打を放った。「お客さんや会社の方の歓声がすごくて、最高の瞬間でした」。社会人野球の魅力を感じた。

2年目は、ある言葉に背中を押された。米メジャーでも活躍した元阪神、中日の福留孝介氏(45)の記事を読んだ。PL学園から日本生命を経て中日入りした経験から「(社会人)1年目はルーキーとして、3年目はドラフト候補として注目される。何もない2年目に活躍できる選手が本物」と語っていた。その言葉が響いた。都市対抗では打率4割2分9厘、4本塁打。チームの9年ぶりの優勝に貢献し、橋戸賞(大会MVP)・若獅子賞・打撃賞の3冠に輝いた。シーズンを通してもベストナインと最多本塁打賞、最多打点賞を獲得。「福留さんの記事を拝見してその通りだなと思って、胸に刻んでいた。大事な2年目をいい形でやりきれた。野球人生の中で一番ステップアップできた1年でした」。

大久保秀昭監督(53)からの指令「打率4割を目指せ」が今年の目標。チームの優勝に、勝負強い打者として貢献する。【保坂恭子】