巨人ドラフト1位・浅野翔吾外野手(18=高松商)が「スーパーボール」になる。

14日、川崎市・ジャイアンツ球場での新人合同自主トレで、視察に訪れた原辰徳監督(64)と対面した。小柄な体格から醸し出すフレッシュ感に「スーパーボール」と独特の表現で期待を受けると、しなやかでバネのあるスタイルと解釈し呼応。これから描く成長曲線を、高い反発係数ではね上げていく。

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心地よい筋肉痛を感じながら、浅野は走り回った。初日の疲労をやわらげるため、1時間早く寮を出てストレッチ。入念なケアをして2日目を迎えた。跳ねるような伸びやかなフォームで走り、ティー打撃では左右の打席から新人離れしたパンチ力を披露。乾いた打球音は、他のルーキーを圧倒した。「動いていくうちに慣れてきて、しっかり動けたんじゃないかなと思います」と充実の表情を浮かべた。

練習前、視察に訪れた原監督から訓示を受けた。「全力」という言葉に自然と気持ちも高ぶった。その表情と、醸し出すフレッシュ感に、指揮官からは「非常にもう、ピチピチしてる。若アユのごとくね。今の人は分からないか、我々の時代、スーパーボールってあったんだよな。そういう印象ですね。デレッとしていない」と、独特の表現で例えられた。

指揮官の言葉に、すぐに浅野は呼応した。「まだちょっと体も硬くて、硬いボールだと思うんで。もうちょっと体を柔らかくして、もうちょっとバネのある柔らかいボールになれたらいいかなと思います」と解釈。トレーナーのランニング指導では、膝やつま先の使い方を教わり、50メートル走5秒9のスピードにさらに磨きをかけている。身長171センチながら、分厚い胸板と66センチの太ももから繰り出すパワーは規格外。しなやかで、バネのある動きを身に付ければ、1軍の舞台が見えてくる。

打って、投げて、走れる選手になるために、今は焦らない。「1年目は学びの年だったり準備の年にして、2年目、3年目から(開幕1軍という目標を)使いたい。5年目はレギュラー定着できるようにしたい」と地に足をつける。桁外れのパワーと合わせて、ポテンシャルは計り知れない。「スーパーボール」のように、プロ野球の世界を跳ね上がる。【小早川宗一郎】

◆スーパーボール ゴムボールの一種で、弾力があり大きく跳ね上がる玩具。ブタジエン製で反発力が非常に強い。カラフルな球が多く、お祭りなどの屋台では金魚すくいと同様に、スーパーボールすくいのお店がある。また、27年前の96年に放映された大人気ドラマ「ロングバケーション」では、木村拓哉演じる主人公・瀬名が、マンションの3階から地上に投げ付け、そのまま跳ね返ってきた球をキャッチする名シーンがあった。

○…浅野が“逆算力”の高さを見せた。ジャイアンツ寮で他の新人13選手とともに約1時間のメンタル研修を受講。目標設定の方法を学ぶ講義では10個のコインを横に並べ、2人のうち最後のコインを取った方が勝ちというゲームを実施した。1ターン2個か1個を取るという条件下で、必勝法を見つけ出す逆算力が求められる中、ドラフト2位・萩尾匡也外野手(22=慶大)に4連勝を収めるなど勝ちまくり。「萩尾さんが弱かったので良かったです」と満面の笑みで誇った。

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