オリックスのラオウこと杉本裕太郎外野手(31)が14日、楽天浅村栄斗内野手(32)と行う沖縄県内での自主トレを公開した。「打撃が好きで、浅村さんみたいになりたいと思って、一緒にやらせて下さいとぼくから言いました」。日本を代表する同じ右打ちのスラッガーに弟子入りを志願し、ついに実現。1学年上の“師匠”から「最低30本は打ちたいな」と目標の本塁打数も設定され、杉本も「打ちたいですね。争えるようにしたいです」と力強く応じた。

初夏到来!? と錯覚しそうな暑さの中、21年パ・リーグ本塁打王のラオウが、20年キングの打撃技術を貪欲に吸収した。「逆方向への打球がすごく飛ぶ。インコースがきれいに回るし、四球もたくさん取れるので。成績もすごく残してらっしゃいますし。そういうところを盗みたいと思ってお願いしました。下半身の使い方とか、いろいろ聞きました」。3年前に浅村からバットをもらい、同じ物を作って21年の初タイトルにつなげた。今年は同じ時間を共有し、力を磨く。

一振りで試合の流れを変える豪快さは、杉本の魅力。ただ、出塁へのこだわりも強い。両立させたい思いに対し「出塁率ばかり意識しすぎても消極的になる。がっつきすぎも良くないけど、見すぎも良くないし、いいアンバイでって話はしました」と相談に乗ってくれるのも浅村だ。

この日は、杉本の代名詞、昇天ポーズを並んで披露。「(実際にシーズンで)1回だけ(やります)。どこかで」という浅村の言葉を伝え聞き、「楽しみにしてます」と目を輝かせた。「そうなったらチームもだいぶ強くなる。頑張りたい」と3割30本100打点を目指す野望も。目の前で浅村に会心の昇天ポーズを決められても、必ずラオウもやり返す。【堀まどか】