3月の第5回WBCに臨む侍ジャパンの最終メンバー30人に、阪神中野拓夢内野手(26)が内定したことが14日、分かった。

阪神では湯浅京己投手(23)に続く内定で、1月下旬に正式発表される予定。二遊間をそつなくこなす貴重な存在として、世界一奪還へのワンピースになる。

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中野が日の丸を背負って世界の頂点を目指す。侍ジャパン最終メンバーの内野手は、今月6日にヤクルト村上、西武源田、DeNA牧の3選手が先行発表された。残りわずかとみられる枠に、虎の内野の要が滑り込んだ。正遊撃手は源田が最有力だが、二塁もできるユーティリティーぶりを発揮して、存在感を示す活躍が期待される。

昨年11月に行われた強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」に選出され、栗山監督のもとで4試合を戦った。全試合に出場し、3試合はスタメンで計7打数1安打2打点。遊撃、二塁を守り、栗山監督も「慣れないポジションで頑張ってくれた」と評価していた。

プロ2年目の昨季は全て遊撃で135試合に出場。チーム最多の157安打で打率2割7分6厘だった。自身初の遊撃ベストナインも獲得。23盗塁を記録した俊足も日本の大きな戦力になるはずだ。二塁にコンバートされる今季に備え、昨秋キャンプではセカンドをみっちりと練習。侍では二遊間をそつなくこなせる貴重な存在になる。

阪神野手でWBCメンバーに選出となれば、中野が少年時代から憧れ、13年の第3回大会に出場した鳥谷敬氏(日刊スポーツ評論家)以来だ。11月の強化試合に出場したことで「国際大会に出たい気持ちはいっそう強まった」と意欲も高まっていた。現在は社会人時代にプレーした三菱自動車岡崎グラウンドなどで自主トレ中。どのポジション、立場でもフル回転する準備を進めていく。

阪神からは、最終メンバー候補に入っていた近本の落選が決定的。さらにこの日、同じく最終候補だった青柳も選出外が決定的であることが判明。いずれも予備メンバーとして登録される可能性が高い。阪神からはすでに中継ぎとして湯浅が内定済み。虎から2人の若武者が、侍ジャパンで世界一奪還を目指す。