広島森下暢仁投手(25)が手術後の順調な経過を口にした。22年10月に右肘関節鏡視下骨棘(こっきょく)の切除、右肘関節内滑膜切除の手術を受けた。

地元大分から広島に戻り、キャッチボールの距離は40メートル程度まで伸ばした。年末より腕の振りも強めている。「どこまでいけるのかというのを探りながらやっている。嫌な感じは全然ないが、まだやっぱり肘をかばって投げているところもある。どのタイミングでどのくらいの準備をすればいいのかというのがまだつかめない。こういうのが初めてなので」と現状を明かした。

近日中に最終チェックのため担当医を訪れる。キャンプも含め、次のステップの道筋が少しずつ決まっていく見通しだ。新井貴浩監督(45)は焦らせない方針を強調している。右腕は「キャンプに関しては、自分を殺してやっていくところだと思う。やっぱりモチベーションが高いところ(1軍)でやりたいとも思うけど、監督の思いとしては自分が焦って離脱するのがたぶん嫌だから、そう言ってくれていると思う」とペースアップに慎重だ。

主力投手としての自覚が増している分、葛藤もある。1年目の20年に防御率1・91で新人王に輝いたが10勝、8勝、10勝と思うように成績を伸ばせずにいる。昨年の防御率は3・17。

「もう4年目なので。1年目、2年目、3年目と同じような成績で来ていて、何か1歩抜けたいという気持ちがある。やっぱり勝ち切れるところで勝たないといけない。競った試合で終盤打たれたりということも多かったし、何とか抑えないといけない場面で抑えられなかった。同じことを3年間繰り返してきたので。そこの1球を大事にしたいと思う」。焦りを抑えながら、復帰した際のグレードアップを誓った。【柏原誠】

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