いざ、逆襲へ。巨人が20日、都内ホテルでスタッフ会議を開催した。総大将の原辰徳監督(64)以下、首脳陣、スタッフが集結。山口寿一オーナー(65)から「優勝が必達目標」と厳命を受けた。

昨季は4位Bクラスに沈んだ。原監督は反省を挙げた上で戒め、勝負に出る。阿部ヘッド兼バッテリーコーチもベテラン勢にも妥協なき厳しさを強調していく姿勢を示した。3年ぶりのリーグ優勝、その先にある11年ぶりの日本一を奪回する。

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球団創設89年目の門出は大反省から始まった。スタッフ会議で原監督が、全首脳陣、スタッフを前に反省の弁を述べた。「あんな年はあってはいけないんだと。原因というものはこうこうこうで、こういう風に自分も感じていると、私自身の反省も含めてね。それに対し今年はこうやっていこうというような話ですね」と悔しさ、屈辱、忘れ去りたいはずの感情をあえて思い起こさせた。

振り返ることを嫌う指揮官が、あえて振り返ったことに不退転の決意がにじむ。昨季は夏場以降は優勝争いから脱落し、4位Bクラスに終わった。「ジャイアンツは今年が89年目。88年目が昨年だったということだよね。88年の歴史の中でもワーストに近い年だったという自負はしようと。大惨敗の反省、教訓を生かして今季に臨むということです」とまで言った。

スローガンに「奪回」を掲げ、新戦力が加わり、新シーズンへと向かう。先発ローテ候補のタイラー・ビーディ投手(29=パイレーツFA)フォスター・グリフィン投手(27=ブルージェイズFA)、ヨアンデル・メンデス投手(28)、セットアッパー候補のヨアン・ロペス投手(30=メッツFA)、中堅手のルイス・ブリンソン外野手(28=ジャイアンツFA)の新助っ人をそろえた。いずれも1月31日にキャンプ地の宮崎入りする。

オフ期間に戦力を整え、この先は組み立て作業へと移行する。キャンプインと同時に弱肉強食のサバイバルが始まる。キャンプ2軍スタートが決まったドラフト1位の高卒ルーキー浅野翔吾外野手(18=高松商)も実力を示せば1軍に加わる。

反省から学び、教訓として刻んだ。未来は広大に広がる。「先輩たちが築き上げてきて、そして我々が今引き継ぎ、そしてつなげていくという点においてはね、大事なことだと思います」と原監督。いざ、反撃へ。【為田聡史】

<巨人スタッフ会議での原語録>

◆07年(1位)「ナメられてはいけない? 戦いですから当然。伝統や歴史を守りつつ、攻めるべきところはガムシャラに攻めていく」(滝鼻オーナーの『他球団にナメられるような野球をしてはいかん!』というゲキに)

◆12年(1位=日本一)「我々は足元を見て、10というのも、まず1がないと。1というものをしっかり見据えた状態で戦う」(V奪還を厳命する白石オーナーの言葉を受け止め)

◆15年(2位)「プラスとマイナスでゼロ…という計算はしないでくれ。欠点を考えず『この教えに関しては、オレが日本一だ』という指導をしてくれ」(日本一を奪い返すため、コーチ陣へ向けて)

◆22年(4位)「力が五分であるならば、実績がない若い選手を思い切って使おうという意思は伝えてあります。経験値がない、ということがマイナスではなくて、逆にプラスに捉えるような状態でチームをつくっていくということ」(新しい巨人の形を作るべく、若手を積極的に起用する意志を表明)

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