3月のWBCに臨む侍ジャパンの登録予定選手30人が正式に発表され、阪神からは湯浅京己投手(23)と中野拓夢内野手(26)の2選手が選出された。兵庫・西宮市内の球団事務所で会見に臨んだ湯浅は、尊敬する大先輩の藤川球児氏(42=球団本部付スペシャルアシスタント)が現役時代に代表でも背負った「22」を自ら選択したことを明かした。

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湯浅は報道陣が用意した侍ジャパンのロゴが記載されたフリップボードに「世界一」とともに、「22」と書き記した。3月のWBCに臨む30人の侍ジャパンメンバーが発表され、代表入りが正式に決定。「大変光栄ですし、感謝と覚悟を持って臨みたい」。阪神では「65」を背負う右腕は、代表の背番号について「22番です。(自分で)選びました」と明かした。

「過去のWBC(09年)で球児さんがつけていらっしゃった。やっぱりリリーフやってるからには追いつき、超えていかなければならない背中。そこで自分の覚悟の意味を含めて22番を選ばせていただきました」

「22」は藤川氏が阪神、日本代表でも背負った番号。「偉大な先輩ですし、本当に日本を代表するピッチャー。世界の大会ですし、上を目指すからにはそれくらいの覚悟がいる」。大先輩は侍ジャパンの一員として06、09年WBC大会で連覇に貢献した。湯浅は「球児さんが22番のユニホームを着ていた大会」と小学生時代の09年WBCを東京ドームで生観戦した過去がある。14年の時を経て、同じ番号で同じ舞台に立つ。

栗山監督からは昨年12月に代表内定の通知を直接受けた。「知らない番号だったんで、ビックリしました」。その際に「世界一になるために力を貸してくれないか」と言われ、「世界一になりたいなと思いました」と当時の心境を明かした。侍の指揮官は湯浅を抑え候補の1人として期待。「もちろんやるからにはいいところで投げたいという思いもありますけど、どこで投げても日本のためにしっかり自分のやるべきことをやれれば」と引き締めた。

「見ていてワクワクさせられるようなピッチングをしたい。自分の持っている力を全力で出すだけ。それに向けてしっかり準備して臨みたい」

覚悟を込めた背番号とともに、世界の頂に立つ。【古財稜明】

○…湯浅は同じく侍ジャパン入りした中野との共闘を心待ちにした。ともにドラフト6位入団で、担当が筒井スカウトという共通点がある。「やっぱり球団の選手がいることは頼もしい。筒井さんに恩返しできるように、2人でやろうという話もしていた。ムーさん(中野)と出られるので、お互いにいろいろ頑張りたい」と力を込めた。

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