覚悟は強い。ソフトバンクに新加入した有原航平投手(30)が28日、福岡市内のホテルで入団会見を行った。レンジャーズとの2年契約を終えてFAとなり、3季ぶりの日本復帰。黒のスーツに球団カラーを意識して用意したゴールドのネクタイを締め、右腕は「ルーキーのような気持ちで、がむしゃらにやる。目標は全然決めてないので、とにかく優勝に貢献できるように1年間投げる。それだけです」と引き締めた。

日米複数球団からオファーを受け「(昨年の)12月は本当に悩みました」という。新天地に決断した理由は「環境も選手もそうですし、自分が成長していく中ではホークスが一番いいなと思った。アメリカに行く時もそういう風にチームを選んだので、そこはブレず」。エースだった千賀がメッツに移籍したが、石川や東浜、和田ら先発候補は10人以上がひしめく。「競争もそうですし、環境もいい。そこでやりたい」と思い立ち、激戦区を選んだ。

メジャー1年目の21年5月に手術した右肩について「今は全く問題ない」とコンディションは良好。宮崎での春季キャンプでは1軍にあたるA組スタートが決まっている。「2月1日、2日には(ブルペンに)入りたい」と意欲的で、この日も会見後に2軍本拠地のタマスタ筑後に移動して汗を流した。

背番号は「17」で、契約は3年総額15億円とみられる。「やらなきゃいけない。頑張ります」。かつての最多勝が発した言葉は全て頼もしかった。【只松憲】(金額は推定)

○…有原が前日27日にセンバツ出場が決まった母校の広陵(広島)にエールを送った。「僕も年末に(広陵に)行ったのですが、本当に素晴らしい選手がたくさんいました。ぜひ優勝をと願っています」。自身は3年生だった10年に甲子園春夏連続出場。エースとして春は4強に導いた。

◆有原と一問一答◆

-入団オファーがあった時の心境は

「何度もこの福岡では投げさせてもらった。対戦していて『本当にやりにくいチームだな』と思っていました。とにかく強いっていう印象だったので、そういうチームから声をかけていただいてうれしかったです」

-日本ハム時代のチームメート、近藤とも再会

「連絡は取りました。まだホークスであまりあいさつができていないので、まずは近藤がいてくれるので友達がいる。少しはやりやすいかなと思ってます」

-2年間のメジャー生活では何を学んだ

「苦しい時間が多かったですが、あれだけ野球に向き合って考えることはなかった。満足のいく成績は残せなかったですけど、この経験を生かして成長することが大事だと思う。いい2年間だったなと思えるように、これから頑張っていきたい」

-古巣日本ハムとの対戦もあるが

「そうですね。いろんな思いがありますけど、いろいろ考えたうえでこういう決断をした。意識せずにホークスのためにしっかり頑張りたいと思います」

◆有原航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日生まれ、広島県出身。広陵3年時に甲子園春夏連続出場。早大ではリーグ戦通算19勝12敗、防御率2・72。14年ドラフトで4球団の1位指名を受け、日本ハム入団。15年は8勝で新人王、19年に15勝で最多勝。20年オフにポスティング制度でレンジャーズ移籍。右肩手術の影響などで2年間で3勝7敗、防御率7・57。NPB通算は129試合登板で60勝50敗2セーブ1ホールド、防御率3・74。188センチ、95キロ。右投げ右打ち。

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