キャッチボールで1球投げるたびに、右手に圧のある息を吹きかける。西武水上由伸投手(24)は長野・宮田(みやだ)村出身。「寒いところは慣れています」と言いながら、ランニング中も袖内に手先を引っ込めた。冬の所沢もそれなりに冷える。

香川・丸亀で体を温めてきた。大雪で帰京が遅れたが、何度かブルペンに入っている。「軽くですけどね」。この日は室内練習場に入ってから、古賀を相手に35球を投げた。29日には柘植を相手に25球。スライダーやシュートを織り交ぜながら、進めている。

プロ2年目の昨季、60試合に投げ4勝4敗31ホールド、1セーブを挙げた。防御率も1.77。新人王も獲得した。「去年はたまたま勝ちパターンで投げさせてもらったので、今年も一から取りに行くつもりでやっています」。平良の先発転向で、掛かる期待も大きくなる。60試合投げた翌年に「60試合くらいは投げるつもりです。そこは最低ライン」と言えるのが、何とも頼もしい。

大きなモデルチェンジはしない。変えたい思いも「ないですね」と言う。「このスタイルであそこまで投げられたので、今年もこれでいこうかなと」。熱さを内に秘めるように、歯切れよく、端的に話した。屋内練習場の外壁には、そんな若者のポスターが今年から掲示された。【金子真仁】

【関連記事】西武ニュース一覧