今季から先発に転向する西武平良海馬投手(23)が、完成度100%の新球を用意した。7日、南郷キャンプで初めてブルペン入りし61球。全球種を投げ、直球は最速152キロを計測。「今日はすごくいい練習ができました」。充実の表情の理由は、山川穂高内野手(31)の存在にもあった。

WBC出場の主砲が、生きた球を確認すべく右打席に立った。平良は「全く違いますね。力の入り方や打者との距離感、コース当てるか当てないかぐらいで攻めて投げることで、いい練習ができた」と感謝した。とりわけ、右打者内角へ食い込むツーシームの練習には効果的。「抜けすぎて当てても困りますし、そこのせめぎ合いみたいなところで良かったです」。山川も「(快音は)絶対無理!」と褒める球もあった。

18・44メートル先には山川がいて、セットポジションの目の前には自ら持参のラプソードを置いた。1球投げるたびに回転成分など数値をチェック。「データ的にはいい球なんですけど、山川さんの感覚的には『打てそう』って言ったりとかして。一流の打者の感覚もあったりしたので面白い投球だったなと思いました」。投げる。考える。ゴロを打たせる新球に、より深みを与える時間になった。

代名詞のクイックは先発マウンドでも貫く。松井監督からは「先発で失敗したらとか考えずに、存分にやってくれ」と激励された。先発でも平良らしく。ツーシームの握りを問われると「僕のYouTube見てください」と、やはり平良らしかった。【金子真仁】