広島は投打ががっちりかみ合い、新井貴浩監督初の対外試合を白星で飾った。1回にマクブルームの1発で3点を先制し、若手5投手が1失点でバトンをつないだ。再建を目指す機動力は、3盗塁という結果だけでなく、次の塁を狙う姿勢が見られた。新井監督は「ワンバウンドでのスタートであったり、スタートを切るんだという姿勢が随所に見られたので、良かったと思います」と上々の船出となった。

先発の遠藤は3回2安打1四球に「まずはゾーンで勝負しながら、真っすぐで押して行ければいい」と振り返った。昨秋キャンプで新井監督から、細かい制球を意識し過ぎず、思い切りのよさという持ち味を失わないよう助言された。この日は3回1死から四球を与えても、続く2番林にはストライクを先行させて併殺に打ち取った。

遠藤とともに開幕ローテ入りを狙う2年目の森も3回完全投球。登板した投手陣は監督の教え通り、ストライク先行で強気に押した。新井監督は「まだまだファームにも状態がいい投手がいるので、どんどん競争してもらいたい。“出てこいや!”という感じですね」と豪快に笑った。新井イズムの浸透が進めば、チーム力も底上げされていく。【前原淳】