開幕1軍とその先をつかむべく、西武川野涼多内野手(21)が駆け回っている。

3回、安打を放った2番マキノンの代走で登場。3番外崎が3球目をセンターへの三塁打にし、一気に本塁まで駆け抜けた。

「塁上にいる時間、短かったので、逆にすぐホームにかえれてよかったと思います」

まだ走る。5回、DeNA平良の内角に入ってくる球を器用に引っ張り、右翼線二塁打とした。

まだまだ走る。三塁を守る7回、三塁側西武ベンチ前へ舞い上がったファウルフライ。勢いよく駆け寄って、ベンチぎりぎりで好捕した。

途中出場でも力を出す。「常に準備しているので。ベンチ裏でも、練習中からも。しっかり準備した中で。今は特にそれを心がけているので」。A班キャンプで2月が始まり、中村らベテランが合流した今も1軍に食らいつく。

9回2死三塁。打席には1番川越が立つ。川野は次打者。アピールする立場。やはり、願ったか。

「もちろんですよー。もちろん、回ってきてと。チャンスで回ってこいと。そうしたら、川越さんがタイムリー打ってくれて、なおも2アウト一塁。とにかくつなごうと」

初球のスライダーを見送り先手を取られたが、その後4球連続ボール球。四球で歩いた。

自身を「すぐ入り込んじゃうので」と分析する。若手にとっては、願ってもないチャンスが回ってきた。しかし、気持ちを抑え、1球も振らなかった。

「とにかくつなごうと。欲を出しすぎず。甘いボールを来たら捉えようと。そんな追い込まれずに、いい意味で気軽にいけたかなと思います」

両打ちのショートとして九州学院(熊本)から入団し、4年目を迎える。内野を守る山川、源田、呉念庭がWBC代表で不在の中、首脳陣に自分を見せる最大のチャンスにある。

「とにかくガムシャラにやることが若手の仕事かなと思うので。それが今はできているのかなと。この気持ちを忘れずに戦っていきたいなと思います」

7回のファウルフライを好捕すると、ちょうど目の前にスイッチヒッターの大先輩、松井稼頭央監督(47)がいた。グータッチを求められた。【金子真仁】