日本ハムが劇的勝利で、エスコンフィールド“初勝利”を挙げた。同点の9回1死満塁から、江越大賀外野手(30)がサヨナラ適時打を放った。打席に立つ前、新庄監督から耳打ちされた。「『ホームラン打ってこい』と。ちょっと笑っちゃったんですけど」。実は1日の練習中、右手首に投球を受け、骨折していた。毎食後、痛み止めを飲む生活だが「気合で」。最後は左手1本で左翼へ運び、球団の新たな歴史を刻んだ。

骨が折れていると判明したのは、負傷して3日後だった。「『そうなんだ』と思ったけど、心は折れなかった」。骨折した翌日には本塁打も放った。「右手が使えないことで、力を入れなくても本塁打を打つコツをつかむチャンス」と考えた新庄監督の後押しもあり、出場を続けた。「右手が使えない分、体を振りすぎていた」と3月に入り急激に三振数が増えたが、この日の試合前に打撃フォームを修正し結果につなげた。

阪神から移籍して1年目。「みんな結果を残しているので、負けたくない。牛乳いっぱい飲んで、早く(骨を)治したい」。鋼のように強いハートで、目標の開幕スタメンに照準を合わせる。【中島宙恵】

○…伏見が開幕投手の加藤貴と2度目のバッテリーを組んだ。「全部任せます」と一任され、5回まで無失点の好リード。テンポのいい投球に「加藤は首振らないので。早すぎて。空回りしないようにとは思ってました」と振り返りながら、「(合わせるのは)大変ですけど、それが仕事なので。キャッチャー次第のところもあると思うので、しっかりやります」と語った。

○…石川が球団として“新球場初勝利投手”となった。9回に5番手で登板し1回無安打無失点2三振。15球で3者凡退に抑えると、その裏にサヨナラ勝ち。思わぬ形で白星がつき「そこはたまたまですけど、リーグ戦の新球場最初のセーブを取れるような準備をしたい」。投球にも手応えがあり「しっかり重心移動できている。真っすぐも指にかかって、変化球もしっかり投げ切れた」と振り返った。

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