昨年、左膝の大けがを負ったソフトバンク栗原陵矢外野手(26)が、オープン戦を首位打者として終えた。

この日は6回に5試合連続安打となる右前適時打を放ち、オープン戦最終打率は驚異の4割1分5厘。自身初の「開幕4番」が決定的な男が、完全復活を目指してシーズンに向かう。

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この日も栗原のバットから快音が生まれた。6回2死二塁でアドゥワの直球を右前に運ぶ適時打。5試合連続安打でオープン戦を締めくくり「自分のバッティングをしようと集中して打席に入りました。しっかりと自分のスイングをすることができたと思います」と振り返った。

昨年、左膝を負傷し5試合のみの出場に終わった男が打線の中心になりつつある。オープン戦では全18試合に先発出場し、首位打者となる打率4割1分5厘。出塁率4割4分1厘、22安打も全体トップだ。4本塁打、11打点はそれぞれ2位タイ。打撃の主要成績ですべてトップクラスの数字を残した。

故障した昨年3月末から長く実戦を離れていたが、その不安をかき消すような暴れっぷり。それでも栗原は「オープン戦で結果を出すためにやってきたわけではない。シーズンでどうなるかはまだわからないので。シーズンに入ったらまた別物だと思うので。いい感覚のまま練習したい」と冷静に話した。

自身初となる「開幕4番」の役割を任されることも、決定的だ。藤本監督は「理想は4番に右の大砲を入れたかったけど、今の状態では4番に入る打撃はしてないですよね。栗原? そうなるでしょう」と言った。栗原自身も自覚たっぷりに「出塁率の高い選手が前に2人いますし、自分が打点を、という気持ちは強いです」と気合を入れた。

守備面でも、今季から本格的に挑戦している三塁で16試合に先発した。2失策を記録し、課題も残しはしたが「オープン戦でしたが、いい緊張感で守れた。いろんなミスも出ましたし、そういうところはもっと練習しながら入れたらなと思います」とプラスにとらえた。完全復活へ、できる限りの準備は整った。【山本大地】

○…開幕3戦目の4月2日ロッテ戦先発が内定している東浜巨投手が、オープン戦最終登板を3回1失点で終えた。初回に味方失策が絡んで1点を失ったが、2回以降は走者を背負いながら要所を締めた。「安定していなかった。球数がかさんで、シーズン中にこんな投球をしていたらいけないですけど、その中でもなんとか粘り強くというところを意識した」と汗を拭った。

○…2年目の正木智也外野手がオープン戦2号の2ランを放ち、開幕1軍に残った。9回無死一塁で、広島栗林から右中間への1発。「外の真っすぐをしっかり捉えることができました。とにかく思い切って自分のスイングをしようと打席に入りました。開幕に向けて結果を出すことができて良かったです」。春季キャンプMVP男は課題だった右腕から結果を残し、最後に好アピールを見せた。

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