キューバ代表としてWBCに出場した中日ジャリエル・ロドリゲス投手(26)が亡命した可能性が29日、高まった。同日に中部国際空港着の航空機で再来日する予定だったが、未搭乗で失踪状態。立浪監督も「いてくれないと困る人。探してきてください」と困惑するしかない。昨季最優秀中継ぎ右腕に突如発生した大騒動。セ・リーグ開幕2日前、中日が悲鳴を上げている。

◆制限選手 最終所属球団に保留権を残したまま、年俸の支払い、移籍を制限する制度。選手が個人的な事由により野球活動を休止する場合、球団がコミッショナーに申請し、正当な理由での処分と判断された場合に適用される。公示された選手は所属球団に戻らない限り、いかなる球団においてもプレーはできない。また球団は、公示日から1日につき年俸の300分の1を減額することができる。

◆キューバ人選手と亡命 キューバと米国は1961年に国交を断絶。2015年に回復したが、トランプ政権で再び「テロ支援国家」に指定。移民など往来に制限があり、経済制裁も厳格化した。野球界でも影響は大きく、キューバの国籍を持つ選手は、メジャーでプレーできない。過去に日本でプレーして亡命した選手には、元DeNAのグリエル兄弟、元巨人ガルシア、元ソフトバンクのコラスらがいる。