新生岡田体制でも「ハマスタトンネル」から抜け出せなかった。阪神がDeNAに逆転負けし、昨年から横浜スタジアムでは23年ぶりとなる9連敗を喫した。2点を先制しながらエース青柳が5回につかまり、投手陣が今季ワースト8失点しての完敗。岡田彰布監督(65)は「今年一番しょうもないゲーム。展開的にな」と嘆いた。

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エース青柳が5回、ついにつかまった。1死三塁から死球、連続四球で押し出して同点。続く桑原には初球に勝ち越し左犠飛、関根には右翼線へ2点適時二塁打を浴び、5失点でKOされた。岡田監督は「開幕投手があっこでああいう感じになったら、どうしようもないな」と嘆いた。

「あんだけ助けられたら、立ち直らなアカンわな。普通は立ち直るけどな」。初回は遊撃手木浪の好守で併殺を奪い、2回1死一塁からは左翼手ノイジーが左前打で三塁を狙った一塁走者牧を刺した。攻撃でも2回2死走者なしから内野安打の梅野に二盗させ、そこから2点を先制した。接戦に持ち込み、阪神ペースだった。

だが、青柳は際どいコースを攻めきれず8安打を許し、5回には3連続四死球で自滅した。指揮官は「ストライク入らへんねんから。1点差やったら投げさせとったよ」。3点差をつけられて諦めた。本人も「結果がすべて。相手はいい打者がそろっている。ストライクを投げたら打たれるし、いいところでボールだったらカウント悪くなる。それの繰り返しだった。今日の僕には何もできなかった」と肩を落とすしかなかった。

DeNAにはホームゲームとなった京セラドーム大阪で開幕3連勝したが、岡田体制になっても鬼門での連敗は止められなかった。青柳を降板させる際には2戦連続でスタメンから外した佐藤輝を途中出場させたが、「投手を長いイニング投げさせたかった」と打順の兼ね合いで交代しただけと説明した。

ヤクルトも敗れ、同率首位は変わらなかった。ただ、DeNAは今季も本拠地で5連勝と強さを発揮している。「今年一番しょうもないゲーム。展開的にな」と苦い表情だった指揮官とナイン。1日も早く勢いを止めて、ハマスタアレルギーを払拭する必要がある。【石橋隆雄】

◆阪神梅野(スタメンマスクを被るも途中交代)「ピンチのところでカウント負けしてしまった。次に生かすために、(青柳と)バッテリーとしてやらないといけないです」

▼阪神は昨年から続いていた横浜スタジアムでの連敗が9に伸びた。阪神の同一球場9連敗は、11年10月11日~12年9月14日の東京ドーム10連敗(2分け含む)以来。横浜スタジアムでの9連敗は、ワーストとなる99年8月18日~00年5月19日にかけての10連敗以来23年ぶり。昨季は同球場で6月28日から8連敗を喫してシーズンが終了。今季の横浜スタジアム初戦でも黒星を喫して連敗が伸びた。