大阪公立大が初の全国大会出場を決めた。大阪観光大を圧倒し、6回コールドで開幕8連勝とした。

6月5日に始まる全日本大学選手権(神宮、東京ドーム)に出場する。

4回、真銅龍平左翼手(4年=佐久長聖)の同点三塁打が飛び出すと、打線が一気に勢いづいた。6回に7得点して勝負を決めた。

正中(しょうなか)敦士投手(4年=小野)がMVPに輝いた昨秋に続いてフル回転。この日は登板がなかったが、プロ入りを目指す絶対的エースの存在が安定した戦いの支えになった。正中は「僕は全国に行ったことがない。しっかり準備して臨みたい」と静かに自信を深めた。

昨春、大阪府立大と大阪市立大が統合。新生野球部は2季目のリーグ戦だった昨秋に優勝したが、明治神宮大会行きを決める関西地区代表決定戦で敗れていた。統合前の両大学も、ともに全国経験がなかった。

この日先発した10人のうち、主将の米麦波留(よねばく・はる、4年=高松商)を含む7人が1年の浪人生活を経て入試を突破した。正中も1浪だ。現メンバーの大半は市立大出身。昨春の大学統合を機に野球部を離れた選手も多かった。実績で劣る府立大の選手がほとんどだった。

同じリーグのライバル同士が融合するまでには時間を要した。小林隼矢監督は「どのチームにも野球の文化があるし、当たり前の基準をそろえるのが大変だった。思っていた大学生活と違うという人もいたと思う。申し訳ないが、それは仕方のないことでした。今はみんなで日本一を目指そうと決めている。これがスタートラインです」と、成長した選手たちを頼もしげに見つめた。

全国27代表のトップを切って出場が決まった。記念すべき初戦は、開幕日の第1試合、中国地区の代表と神宮で戦う。新しい歴史を刻んだナインが東京で雄姿を披露する。【柏原誠】