ギータの豪快弾で延長戦にケリをつけた。ソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が3-3の延長10回1死一、二塁、日本ハムの新球場エスコンフィールド右翼3階席に飛び込む決勝の2号3ラン。3試合ぶりの1発を含む4安打4打点の活躍でチームを3連勝に導いた。福岡~北海道の当日移動ゲームの疲れも見せず、主砲の豪快アーチで再びチームは上昇気流に乗る。

「4番」の仕事とはこういうことだ。豪快に140キロのスライダーを振り切った。柳田はしっかりホームランを確信した。日本ハムの新球場エスコンフィールドの右翼3階席に飛び込む決勝の2号3ラン。悠々とダイヤモンドを周回し、ナインの手荒い祝福を浴びた。同点の延長10回1死一、二塁。仲間が最高の舞台を演出してくれた。「もうぶった切る気持ちで。どんな球が来てもぶった切ろうと思った」。同球場の3階席に飛び込んだのは初。柳田の代名詞でもある「規格外」の豪快スイングが戻ってきた。「完璧すぎて。本当、久々の感覚。数年ぶりじゃないですか」。チーム3連勝に導いた殊勲弾に自画自賛した。

厳しいロードの始まりだった。本拠地ペイペイドームで楽天戦を終え、一夜明けたこの日は福岡~北海道の当日移動ゲーム。列島を北上する機内で、柳田を含めホークスナインは大きな体をシートにうずめ、ほとんどが睡眠に充てた。球場入りしても柳田ら主力は打撃練習は免除。疲労蓄積を考慮して試合に臨んだ。3週連続で6連戦が組まれる日程。週末はすべてロードで金曜日は「移動試合」となる。

数字的な目標こそ語らない柳田だが、今季は「全試合出場」を心に決めている。主砲であり主将。主軸打者としてキャプテンとしてチームをけん引しなければならない責任感はしっかり自覚している。初回に近藤の適時二塁打で先制すると、しぶとく右前適時打を放った。6、8回にも内野安打と中前打でともに今季最多の4安打4打点の活躍。「(柳田が)4安打もしてくれてよかった。本人の状態はまったく変わっていない」。試合後の藤本監督も柳田の活躍を当然とばかりに頼もしそうに振り返った。

打率&出塁率でリーグトップを走る男に、本来の長打力がよみがえった。何とも楽しみな黄金週間がスタートする。【佐竹英治】