東洋大のドラフト1位候補・最速155キロ左腕の細野晴希投手(4年=東亜学園)が好投し、東都大学リーグ2部優勝に王手をかけた。

初回からキレのある直球と変化球で拓大打線を寄せ付けず、6回75球を投げ、3安打無失点7奪三振。この日は8球団16人のスカウトが詰めかけ熱視線を注ぐ中、最速151キロを出すなど奮闘。4四死球を出し「体の状態的には前回よりも良かったんですけど、いらないフォアボールが多くて、そこは反省かなと思った」と振り返った。

楽天後関スカウト部長は「球も速いし、ボールの質がいい」と評価。DeNA河原スカウティングディレクターも「足のステップも打者に向かって直線的にでてくるようになって良くなっている」と高評価だった。

今季4勝を挙げる秘訣(ひけつ)は、ポテンシャルがあっても進化することを恐れないことだ。この日は抜けるようなボールも見られたが「体が突っ込まないように、ボール球は高めに投げるようにしている」と修正。実戦も成長の糧としている。

仲間からも厚い信頼をうける。主将の水谷祥平外野手(4年=龍谷大平安)は「絶対的なエースというのもわかっているので守備の面での不安要素は全くない。今日どんなピッチングするのか、どんな記録を作るのか自分たちもわくわくしている」と話す。21年春以来の1部復帰に向けて、入れ替え戦まであと1勝。チームをけん引するエースは「ひとつひとつ大事に投げた結果が優勝につながると思う」と前を見据えた。【星夏穂】

◆細野晴希(ほその・はるき)2002年(平14)2月26日生まれ。東京・八王子市出身。加住小2年から交友ビクトリーズで野球を始める。東海大菅生中では軟式野球部に所属。東亜学園に進学し、1年夏からベンチ入り。甲子園出場はなし。東洋大では1年秋からベンチ入り。3年春の中大との入れ替え戦で自己最速の155キロをマークし、最優秀投手を受賞した。大学日本代表候補。180センチ86キロ。左投げ左打ち。

○…専大ドラフト候補の最速152キロ右腕・西舘昂汰投手(4年=筑陽学園)は、粘りの投球を見せたが報われなかった。9回までは7安打4失点と踏ん張ったが、延長10回タイブレークに入り、押し出し四球でサヨナラ負けを喫した。斎藤正直監督(63)は「最後苦しかったんでしょうけど、やっぱりあそこの制球力。それは普段からのブルペンになると思う」と話した。