阪神ヨハン・ミエセス外野手(27)が、来日初V打を含む1安打2打点と5連勝に大きく貢献した。「6番右翼」で2試合ぶりに先発。初回2死満塁で中日福谷の外角直球をたたいて、一、二塁間を破って右前へ。「満塁のチャンスで大振りにならないようにランナーをかえすことを考えて打つことができたね」。出場4試合9打席ぶりのヒットが来日初タイムリーとなり、これが決勝打となった。

5点リードの5回に先発村上がつかまり、一気に1点差に迫られ暗雲が垂れこめた6回。チームを救ったのがミエちゃんのバットだった。1死満塁の打席で、4番手勝野の低めストレートに食らいつき、打球は三塁へのボテボテのゴロとなったが、三塁走者の中野が本塁へ生還。リードを広げる貴重な1点をもぎ取った。岡田監督は「ああいう1点は大きいよ」と目を細めた。

14日のDeNA戦前に室内練習場で、今岡打撃コーチによる熱血打撃指導が敢行された。具体的な助言は明かさなかったが、助っ人砲は「彼がすごくいろんなことを経験されている方だと思うので、『下向かずに頑張って』ということも含めてそういう言葉をかけられたので、すごくポジティブな気持ちで打席に立つことができました」と感謝した。

豊橋市民球場は両翼93メートルしかない狭い球場ということもあり、指揮官は「狭いん? ああ、そう。そらミエちゃん行かなあかんな。あっち向いてホイでも入るやつ」と、スタメンに抜てき。1発こそ出なかったが、見事に起用に応えた。

来日1軍デビュー戦となった5月5日の敵地広島戦では左越えの豪快な1発をマーク。その後、苦戦が続いていたが、再び息を吹き返した。「状態はよくなってますけど、まだいい状態とは言えないですけど、今はその過程なので。いい結果が出てよかった」。ミエセスが上昇気流に乗れば、虎の課題である「6番問題」も解消する。【古財稜明】

▽阪神ミエセス(決勝打を含む2打点)「まだいい状態とは言えないが、その過程なので、いい結果が出てよかった(14日に今岡打撃コーチにアドバイスを受け)下向かずに頑張ってということも含めてね。すごくポジティブな気持ちで打席には立てたのかな」