巨人育成ドラフト1位の松井颯投手(22)がプロ初登板初先発マウンドで5回2安打無失点、5奪三振の好投でプロ初勝利。

育成入団1年目での初登板初勝利は、18年大竹(ソフトバンク)以来2人目で、球団史上初となった。

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託された思いが、松井の大きな原動力となっている。「谷井の分も結果を出したいという気持ちがあるんです」。昨年10月20日のドラフト会議、運命は分かれた。松井は育成指名された一方で、明星大で同期の159キロ右腕・谷井さんは名前を呼ばれず指名漏れした。松井に「早く1軍で活躍できるように頑張れよ」と人前では気丈に背中を押しながら、部屋に1人戻って流した谷井さんの涙は、今も忘れない。

運命の日から約3週間後、谷井さんが引退を決断したことを聞かされた。女手一つで育ててくれた母を支えるためにも、ユニホームを脱ぎ、スーツを着ることを選んだという。「自分の分もプロで頑張って欲しい」と夢を託された松井。親友であり、ライバルの思いも胸に腕を振り続ける。【巨人担当=上田悠太】

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