関西学生野球は全日程を終え、個人表彰が確定した。打率4割6分7厘の同大・松井涼太外野手(4年=東邦)が初の首位打者に輝いた。

「首位打者はずっと取りたかったのでうれしいです」。初タイトルの4番打者は胸を張った。同大からは4季連続の首位打者だ。

3年春の甲子園では巧打の1番打者として東邦(愛知)の優勝に貢献した。同僚だった中日石川昂弥内野手(21)や早大・熊田任洋内野手(4年)らが新しい舞台で活躍している。

「甲子園で優勝して幸せでしたが、大学でもしっかり経験を生かして活躍しないと、と思っていました。昂弥はあれだけ注目される中で頑張っているし、クマは1年からバリバリやっている。同級生の活躍は刺激になっています。大学野球は関東の方が注目度が高い。自分もいるぞという気持ちはありました」

高い期待を受け、1年秋から起用されたが、結果は出なかった。花野巧監督(69)からは「殻を破らないと成長できないぞ」とハッパをかけられた。高校と違い、大学では自主的な練習がほとんど。打撃が思うように伸びず、2年時はバットに触れることすら苦痛になった。「野球をやめたいとも思いました。もっとできるはず、と自分を過信していました。プライドというか」と苦悩の日々を振り返った。

昨年から主軸に座り、リーグ屈指の打者になったが満足はしていない。「まだ優勝をしていませんから」と、ラストシーズンを見据えた。