国学院大が中大に勝利し勝ち点を2にのばし、1部残留を決めた。

2-2で迎えた9回1死一塁。DeNA神里和毅外野手(29)の弟・陸捕手(3年=東海大相模)が、初球のチェンジアップをフルスイング。大学第1号の右越え2ランで勝ち越しに成功。この回、さらに1点を加え、勝利を決定付けた。

神里の一振りが、チームを最下位危機から救った。相手は、兄の母校・中大。「正直全然意識していませんでした」と笑い飛ばしたが、「兄貴は4年で大学初本塁打を打った(4年春)。自分は兄貴よりも先に打ったなぁと思いました」。兄の記録を越え、大学での成長を見せつけた。

ベンチからは「気迫!」と声が飛んだ。1部残留のために、中大戦前、チームで「気迫」をスローガンに掲げた。前週の青学大戦前には鳥山泰孝監督(47)に伊東光亮内野手(3年=大阪桐蔭)とともに「お前らが打たないか!」と説教も受けた。「今日は絶対に自分が出て次につなぐという気持ちで打席に入りました」。1ー2で迎えた7回にも同点打を放ち、2安打3打点の活躍。「『気迫』通りの打席だったと思います」と胸を張った。

昨秋はリーグ優勝を果たしたが、今春は一転、厳しい戦いが続いた。「1部にいることは当たり前じゃない。そのありがたみをかみしめています。秋はもう一度、日本一を目指したい」。この悔しさを糧に、神里はチームのためにバットを振る。

敗れた中大は29日、駒大と1部残留をかけて戦う。