高卒2年目の前川右京外野手(20)が、無安打デビューもハッスルした。1軍にプロ初昇格し「6番DH」で即スタメン出場。「初めは緊張しました」と振り返ったが、持ち味の積極性は変わらなかった。右翼席には母校・智弁学園カラーの赤字でプリントされた「前川右京」タオルを掲げた虎党に後押しされながら、2回先頭で第1打席を迎えた。

西武与座の内角高め129キロに詰まらされ、打球は投手の手前に転がった。一塁に懸命に全力疾走も、一塁上付近で西武一塁手渡部と接触。そのまま前方へ転倒した。「一塁の選手と引っかかってしまって…。1打席目は全くダメだった」と苦笑いを浮かべた。

その後、第2打席は死球も、第3打席は痛烈な三ゴロ。第4打席も引っ張って一ゴロと持ち味のスイングを心がけた。「2打席以降、打席での修正は悪くないと思う。あとは球の見極めや準備の仕方をより、考えて入りたい」と収穫もあった。岡田監督も「1打席目は力入り過ぎてアレやったけど、その後は別に内容的には悪ないと思うで」と及第点だ。

今春、1軍キャンプメンバーに抜てきされたが、直前に左上肢コンディション不良で離脱した。その後、諦めずにウエスタン・リーグでは、32試合で111打席36安打2本塁打で打率3割6分と継続してアピールに成功。やっとつかんだ1軍への切符だった。「次は打てるようにしたいです」。Hランプをともすべく、もう気持ちは切り替わっていた。【三宅ひとみ】

■佐藤輝、堅守見せる

佐藤輝が守りで村上をもり立てた。7回に西武源田の鋭いゴロを逆シングルで捕球し、9回2死では渡部の三塁線への当たりを捕って一塁へ素早い送球でアウトにした。バッティングは4打席無安打で、3試合連続ノーヒットとなったが守備で貢献。岡田監督は「守りだけなあ、守っただけやんか」と笑いながらも好守をたたえた。

■ノイジー、バットで援護

3番ノイジーがバットで村上を援護した。1回、1点を先制しなお無死三塁の場面で遊ゴロで2点目を挙げ、1点リードの5回2死一、二塁では貴重な追加点となる左前適時打。「強い打球を打つことができたので、そのアプローチがあのヒットにつながったのかなと思います」と振り返った。下手投げの西武与座に対し「センター方向に向けてしっかり打つ意識をできるだけしっかり持ちました」と変則右腕攻略に貢献し胸を張った。

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