07年以来、16年ぶりの交流戦開幕3連勝とはならなかった。日本ハムは登板4連勝を狙った先発加藤貴之(30)が6回2/3 10安打4失点で降板し、勝利に導くことができなかった。3回にはヤクルト村上に7試合ぶりの本塁打を浴びるなど序盤で3失点。中盤以降は粘ったが打線の援護なく、3敗目を喫した。

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加藤貴の願いは届かなかった。9回2死一、二塁、代打マルティネスの打球は力なく1塁へ。オスナが捕球しゆっくりベースを踏むと、ベンチの柵にもたれ、13試合ぶり勝利にわくヤクルトナインを、じっと見つめた。6回2/3、今季自身最多の105球と踏ん張ったが「チームに流れを持ってくることができず申し訳ないです」と反省した。

粘ったが、勝利にはつながらなかった。初回1死一、二塁、ヤクルト村上の左前適時打で先制点を与えると、3回1死一塁で再び村上につかまった。2ボール2ストライクから、130キロのカットボールを左翼に運ばれた。4月14日西武戦以来7試合、48日ぶりの被弾。しっかり外角低めをついたが「バッターもうまかったですが、そこは反省も含め次に向けて頑張りたい」と気持ちを切り替えた。

5回は山田、青木をいずれもフォークで2者連続三振に切って取るなど4、5、6回は3者凡退。味方の援護を待ったが7回途中で無念の降板となった。1、3回にアンラッキーな内野安打を得点につなげられており建山コーチは「不運な当たりやエラーもある中、加藤ならやってくれると。こういう日もあります」と振り返った。

交流戦開幕連勝スタートから小休止。2日の巨人戦(東京ドーム)からは今季初めてセ・リーグの球場に乗り込む。建山コーチは「本塁打が出やすい球場だが、外も内も高めも低めもリスクは同じと考えて大胆にいかないと」。1つの黒星でおじけづくことはない。敵地でも強気の野球で勢いを取り戻す。【永野高輔】

▽日本ハム伏見(加藤貴に)「良さは出ていた。3回の村上は、それまで強引に来ていたのに意識を変えたのか、外角の球を踏み込んで逆方向に運ばれた。相手が上手だったかなと思う」

○…ルーキー加藤豪が3打数2安打で、デビューから出場5試合連続安打とした。ドラフト制後(66年以降入団)の新人では18年に清宮が記録した7試合連続が最長で、記録更新も視野に入ってきたが、二塁守備ではミスもあり4回から一塁へ配置転換。「今日のプレーは自分らしくなかった」と悔しがり「徐々に慣れて、安定したプレーが出来ると信じている」と、足元を見つめた。

○…野村が4打数無安打に終わった。2度の打席で得点圏に走者を置いて凡退。直近5試合では19打数2安打、今季打率は2割3分8厘に下降している。「抜けそうな当たりや越えそうな当たりがヒットにならないのは、何か原因があると思うので、もう1回見直したい」。八木打撃コーチは「細かく言わないようにしている。バッターは迷うだけなので」と、若き主軸の復調に期待した。

○…アルカンタラが5月19日のオリックス戦以来、出場6試合ぶりの安打を放った。7回1死二塁で代打出場し、バットを折りながらも、しぶとく三塁内野安打。「安打が出ていない中で、多くを求めすぎず、シンプルに振ることだけを考えた」。9回にも左前安打を放ち、今季5度目のマルチ安打を記録。「今できていることを継続するということを心掛けてやっていきたい」と、復調のきっかけにするつもりだ。

○…杉浦が7回2死満塁の場面で登板し、火消し役としての役割を果たした。ヤクルト村上に直球を続け、二飛に打ち取ってピンチを切り抜けた。チームは敗れたものの、失点を防ぎたい首脳陣の期待に応えた。「僕らは備えておくしかないと思うので。声がかかった時に持ち味を出せるように準備していく」と、今後も緊迫した場面での起用に応えるつもりだ。

○…6安打を放ちながら今季4度目の完封負けで、連勝は2でストップ。打線はヤクルト先発のサイスニードを捉えきれず、クオリティースタートで試合を作った加藤貴を援護できなかった。新庄監督は「手も足も出ませんでした」と“お手上げモード”で「ヤクルトさんは明日(2日)から乗って行く気がします」と、コメントした。