救い投げだ! ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦で快勝を収め、連敗を2で止めた。先発の和田毅投手(42)が打球を左手に受けるアクシデントで降板も、緊急登板した「弟子」の板東湧梧投手(27)が3回無失点の好リリーフ。救援6人が1失点リレーで窮地を救った。打線も13安打5得点。チーム一丸でカード初戦を白星で飾った。

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「弟子」が「師匠」を救った。2回無死。先発和田が広島マクブルームの打球を左手に受け、緊急降板した。板東は当たったその瞬間にブルペンで始動。「(登板が)あるだろうなと。すぐに準備したので時間はありました。そんなにバタバタはしなかったです」とサラリ。3回無失点の好救援で、今季2勝目を手にした。

昨オフ、板東は先発転向を目指して和田の自主トレに初参加した。長崎で過酷なランメニューや食トレを消化。同じく門下生となった藤井らと、ベテラン左腕から先発としての極意を学んだ。「師匠」の後を受けた緊急登板だったが「そこに関してはあまりそういうことは考えなかったですね」と無心でマウンドに上がっていた。「次につなぐためにバトンを受けたと思って頑張ろうと思っていきました」。男前な右腕が男前な投球を見せた。

板東の後に続いた田浦、甲斐野、津森、松本裕、モイネロも1失点リレーで窮地を救った。チームの連敗は2でストップ。移動ゲームにアクシデントも乗り越え、カード初戦を白星で飾った。藤本博史監督(59)も「板東はよく投げてくれましたよね。今日は本当にリリーフ陣はよく頑張ってくれました」とホッと一息。投手陣をたたえた。

試合のなかった首位ロッテとは2ゲーム差に縮まった。交流戦は2勝2敗で勝率5割。ソフトバンクが一丸となってベテラン左腕の無念を晴らした。【只松憲】