富士大(北東北)が大商大(関西6大学)に7-1で勝利し、09年以来14年ぶりの準決勝に駒を進めた。

2回1死満塁で、赤瀬健心外野手(1年=下関国際)が先制左前適時打。なおも1死満塁で続く渡辺陸外野手(1年=花巻東)が右前適時打と1年生コンビが躍動。後輩の活躍に先輩も応え、9安打7得点で快勝した。

仙台大(仙台6大学)は明大(東京6大学)に0-5の完敗。打線がわずか2安打と振るわず、投手陣を助けられなかった。

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3カ月前まで高校生だった1年生コンビが輝いた。ここまで2試合連続で第1打席に安打を放っている赤瀬は、2回1死満塁で迎えた第1打席に、144キロの直球を流し打ち。昨夏は下関国際(山口)の中堅手として甲子園準優勝に貢献。初戦の富島(宮崎)戦では4安打を放ち、そのすべてが逆方向と、流し打ちはお手の物。脇を締め、ボールに逆らわず、三遊間を打ち破る先制適時打でチームを勢いづけた。続く渡辺陸は132キロの変化球をうまくすくい、右方向へ引っ張る決勝適時打。8、9番の下位に並ぶ1年生の活躍に、安田慎太郎監督(38)も「この間まで高校生だった2人。チームの力になってくれて、私自身もびっくりしています」と思わずうなった。

後輩の活躍に先輩も黙ってはいられない。打っては3回2死、5番佐々木大輔内野手(3年=一関学院)が右越えソロ。5回2死には4番渡辺悠斗内野手(3年=堀越)が左越えソロと2本のアーチで追加点を挙げた。投げては先発の佐藤柳之介投手(3年=東陵)が5回3安打無失点、継投した安徳駿投手(3年=久留米商)が4回4安打1失点と好投するなど、先輩たちの奮起もあり、昨年の1回戦で延長10回タイブレークの末、1-2と敗れた大商大にリベンジを果たした。

次戦は10日、青学大(東都)と対戦する。目指すは北東北悲願の日本一。だが、指揮官は「1つ1つ勝っていこうと話している。まず準決勝をしっかり勝てるように頑張りたい」。目の前の試合に勝利し、日本一に王手をかける。

○…仙台大は5回、一瞬の乱れをつけこまれた。4回まで完璧に抑えていた先発・佐藤幻瑛(1年=柏木農)が、先頭打者に四球を与えると、味方の失策と四球で無死満塁。続く2番に148キロ直球を中堅にはじき返され、1失点したところでマウンドを降りた。2番手・樫本旺亮投手(2年=淡路三原)も攻め込まれ0-5。佐藤は「5回が反省点。四球を出してランナーが出て、自滅した。前の試合も6回から崩れて、同じ感じの展開になった。そこを改善していきたい」と前を向いた。