ミキハウス(八尾市)が両軍合わせて25安打の打撃戦を劇的な逆転サヨナラで制し、3年連続4回目の都市対抗本戦出場を決めた。

延長10回タイブレーク。表に1点を勝ち越されたが、同点に追いつきなお2死一、三塁。9番の立花允夫内野手(31=天理大)の打球は三遊間へ。ヘッドスライディングで決勝のタイムリー内野安打をもぎ取ると、地面をたたいて喜びを爆発。ヒーローを目掛けて笑顔の仲間が押し寄せた。

“底力”で5点ビハインドをひっくり返した。1-6で迎えた7回、三菱重工Westのプロ注目右腕・竹田祐投手(23=明大)に4安打を集中して4点を挙げ、1点差に迫った。そして9回2死一塁。3番猪原隆雅外野手(23=日体大)が左翼線へ適時二塁打を放って同点に追いついた。

今年のチームスローガンは「『底力』~always challenging」。苦手とする劣勢から、巻き返す力をつけるために考えられたものだ。主将の大西友哉内野手(29=同大)は今大会は「挑戦者らしく攻めていこうぜ」と声をかけ続けた。チーム14安打でつかんだ本戦切符。「劣勢でも、積極的にいけたことが前向きの空気をつくった。この大舞台で(スローガンを)体現できてよかったです」と笑顔だった。

陣田匡人監督(44)は「泣きそうになった。自分たちがやってきたことを最後まで信じて、諦めない気持ちを大事にしたことが勝利につながった」とナインをたたえた。本戦では昨年まで2年連続優勝チームに敗れている。「ドームに出るだけでなく、関東のチームに勝ちたい」と力強く決意表明した。【村松万里子】