ミエちゃんV打きた! 新助っ人の阪神ヨハン・ミエセス外野手(27)が勝ち越し適時打でチームを勢いづけた。大山が同点犠飛を放った直後の初回1死一、二塁。オリックス曽谷の150キロ真っすぐを捉え、中前適時打。ベンチにいたナインも身を乗り出して拍手を送った。

「しっかりとコンタクトすることを心がけたよ。いい流れだったし、チームに貢献できてうれしいね。今日はいい感覚でした」

試合前まで左投手に1安打のみだったが、課題を乗り越えた。「5番右翼」で初のクリーンアップ起用。来日3度目の決勝打で期待に応えた。

思いを込めて打席に立った。打撃で使う黄色の革手袋に「RIP(=Rest in Peace) Papi」と刺しゅうしていた。意味は「お父さん、天国でゆっくり休んでね」。4月に突然の愛する父の死…。最愛の家族のためにも、困難を乗り越えて異国の地で野球に奮闘し続けてきた。初めて自分の気持ちを込めた革手袋を下ろした特別な日。チームにとって貴重な一打は天国の父にもささげた。

岡田監督は「今日はミエセスのセンター前は大きかったよ。初回のなあ、あれが大きかったよ、やっぱり」とたたえた。

甲子園のお立ち台は初めて。「アリガトウ! ミエチャンデス。お先デス!」。愛嬌(あいきょう)たっぷりのミエちゃんの姿に満員のファンの笑顔があふれていた。【三宅ひとみ】

■木浪、恩師へ恩返し打

阪神木浪がダメ押し適時打を放った。4点リードの7回2死一、三塁でオリックス宇田川の142キロフォークを右前打。この日は亜大の恩師生田監督が退任を発表。「礼儀、野球、野球以外も4年間でしっかり学ばせてもらいました。今の自分があるのは監督のおかげなので、感謝したいです。試合出てる以上は、結果で恩返しできるようにやっていきたいです」と力を込めた。