ソフトバンク今宮健太内野手(31)が「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦(神宮)で「汚名返上打」を決めた。5回に自身の失策から一時は逆転を許したが、同点の延長10回に決勝2点打。チームを開幕以来の同一カード3連戦3連勝、今季最多の貯金8に導いた。腰の違和感で今季58試合目にして初めてスタメンから外れた近藤健介外野手(29)も5回に代打適時打を放ち、16日阪神戦(甲子園)から先発復帰予定。交流戦逆転Vへ、ラストスパートに入る。

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今宮の決勝二塁打が左翼線に弾んだ。東都の鷹党は神宮の夜空に叫びまくった。7-7で迎えた延長10回表1死満塁。ヤクルト6番手清水のフォークをとらえた。走者2人が生還。直後の守りはモイネロが0封で締めた。試合時間は4時間47分。死闘を制した。

「自分のミスで点をやってしまってチームに迷惑をかけた。何とか1本打ってチームを勝たせたかった」

5回の守備。今宮は味方からの送球を取り損ねた。1死も奪えず、一時逆転を許すきっかけとなった。名手らしからぬミスを、最後はバットで挽回した。それでも今宮は「欲張ってゲッツーを欲しがってしまって、ミスになってしまった。もう1回気を引き締めて、1個ずつ大事にやっていきたい」と反省を忘れなかった。

チーム一丸で勝った。5回には腰の違和感でスタメンから外れた近藤が代打でタイムリー。他にも代打勢では川瀬が一時は同点打となる一打、野村大は延長10回の勝ち越しにつながる左前打を放った。采配的中の藤本監督は「近藤だけじゃなく、野村大も川瀬もいいところでヒット打ってくれた。交流戦は投手のところに代打がいくんでね。みんないい結果を出してくれている」とニンマリだ。

チームは今季、延長戦7試合を5勝2分。選手層の厚さを見せつけて負け知らずだ。さらに開幕カード以来となる同一カード3連戦3連勝。ヤクルトとの雨中決戦を制し、貯金は今季最多の「8」まで膨らんだ。これで優勝を争う交流戦は9勝6敗。残り3試合を残して勝率5割以上が確定した。

16日からはセ・リーグ首位を走る阪神との3連戦。敵地甲子園では直近10試合で8勝2敗と得意にしている。今宮は「あと3試合、頑張ります」と引き締めた。虎狩りで交流戦9度目の頂点を狙う。【只松憲】