がっちり首位キープだ! ソフトバンクが今季6度目のサヨナラ勝ちで、オリックスとの首位攻防戦に連勝した。

2-2の9回1死三塁。1番中村晃外野手(33)が左中間へ殊勲の一打を放った。今季2度目の4連勝で、交流戦を含む3カード連続で勝ち越し。貯金は今季最多の11に伸ばし、2位オリックスとは1ゲーム差に広げた。劇勝の勢いそのまま、一気に3タテを食らわせ首位ロードを突き進む。

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最後は自らのバットで試合を決めた。ゲーム差なしで並ぶオリックスとの首位攻防戦第2ラウンド。2-2の9回1死三塁。フルカウントから2球ファウルで粘ってからの8球目。中村晃はオリックス4番手ワゲスパックの高め直球を流し打った。打球は遊撃手の頭上を越え左中間で弾んだ。

ホークスナインは一斉にベンチを飛び出し、ヒーローは歓喜の輪の中心で喜びを分かち合った。お立ち台では充実感を漂わせながら「何とか決着をつけたいと思っていた。勝てて良かったなと思います」と勝利の味をかみしめた。

「ヒットゾーンに飛んだとは思っていた」。振り抜いた瞬間に、サヨナラ勝ちと確信した。サヨナラ打は20年以来自身3度目。20年当時はコロナ禍のため観客は人数制限があり、声出し応援も禁止だった。人数制限なしのサヨナラ打は15年までさかのぼるが、このときは押し出し四球だった。この日は3万9000人を超える観客にも後押しされた。中村晃は言う。「やっぱり、お客さんに見られてこそプロ野球選手。応えられて良かったです」。

絶好の舞台を整えたのは三森だった。9回の攻撃。先頭で打席に立ち、内野安打で出塁し犠打で二進。中村晃の打席では3球目に三盗を成功させた。藤本博史監督(59)は「隙があれば前の塁を狙っていく。あそこでいける勇気のある三森のファインプレーですね」とたたえた。中村晃も「(三進で)バッターとしてチャンスが増える。打った方よりランナー(三森)をほめるべきじゃないですか」と感謝した。

オリックスに2連勝で首位攻防戦に勝ち越し。チームは交流戦から4連勝と波に乗っており、貯金は今季最多の11に到達した。「何とか(3)連勝して終わりたいなと思います」と中村晃。劇勝の勢いそのまま、宿敵に3タテを食らわせて一気の首位固めを狙う。【佐藤究】

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