サイ・ヤング賞右腕が、チームを5月13日以来の首位に浮上させた。

DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、6回1/3を3失点の粘投で5勝目。今月4勝目で、球団の外国人投手では03年9月のドミンゴ以来20年ぶり2人目の記録を達成した。今季、横浜スタジアムでのデーゲームは12勝無敗1分けと無双。阪神3連戦3連勝で、昨年から続くハマスタでの同戦の連勝も13に伸ばし、貯金は日本一を達成した98年10月12日以来となる12とした。

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マウンドでも、お立ち台でも期待に応えるのが、バウアー流だった。4度目で恒例と化したヒーローインタビューでのネタ披露。「今の気持ちは?」と聞かれ「ハッシュタグ、ヨコハマユウショウ」とDeNAが勝利した時にツイッターでトレンド入りする「#横浜優勝」を叫んだ。ファンへのメッセージでは、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二のギャグ「はぁ~い」を披露し、スタンドを沸かせた。

25年ぶりの「横浜優勝」に向け、5月13日以来の首位浮上へと導いた。「あまり調子は良くなかった」と振り返る中、心掛けたのは精神面のコントロールだった。「自分でコントロールできる部分にフォーカスすることが大事」。ストライク先行を意識しながら、4四死球と苦しんだが、イニングの先頭に出塁を許したのは失点した5回と7回の2度。来日最多の114球の熱投で流れを渡さず、打線の援護を呼んだ。

打席でも、自分がやるべき仕事に徹した。4回1死一塁では、バントで一塁線に転がしたが、阪神才木の送球が体に直撃。ラインの内側を走ったとされ、守備妨害と判定された。リベンジに燃えた6回無死一塁では、2ストライクから一塁線に犠打を成功。「真っすぐ走ったつもりだったが、2つ目はしっかりと距離を取って走った」と反省を生かし、追加点につなげた。

来日8試合目で初めて被本塁打がなく、球団の外国人投手では史上2人目の月間4勝を挙げた。「今日のような内容よりは9回を投げて、ソロ1本の方がいいなと思うんですけど、今日のような試合で本塁打を打たれていたら、複数点になっていたと思うので、そういった意味では本塁打がなくて良かった」と笑った。阪神戦のハマスタでの連勝を13に伸ばし、貯金は98年10月12日以来の12。試合後、「横浜優勝」とともに「バウアーさん」がトレンド入りした。【久保賢吾】

○…伊藤が、攻守で勝利に貢献した。0-0の2回1死満塁から、右翼へ先制の犠飛。6回には先頭で安打を放ち、佐野の適時打で本塁に生還した。守備ではバウアーの粘りの投球をリードし、リリーフ陣も好投に導いた。「(三塁走者の宮崎)敏郎さんがダッシュでホームを駆け抜けてくれたので、敏郎さんのおかげです」と感謝した。

○…宮崎が、今季7度目となる3安打猛打賞を飾った。2回に二塁打で出塁し、伊藤の浅めの右犠飛に全力疾走で生還。5回には2死二塁から右中間への適時二塁打をマークした。「貴重な追加点を取ることができて、うれしいです」とコメント。5、6回ともに2死から追加点を挙げ、三浦監督は「大きかった」と評価した。

○…キャプテン佐野が、2安打2打点でバウアーを援護した。1点リードの3回無死一、二塁から右前適時打。2点リードの6回2死一、三塁では左前適時打を放った。お立ち台では「試合後に野球教室があると聞いていたので、絶対に打たないといけないと思った」と繰り返し、笑いを誘った。