岡田虎が首位陥落した。DeNAに今季初の同一カード3連敗で、5月12日以来44日ぶりに2位となった。

岡田彰布監督(65)は、この日佐藤輝の出場選手登録を抹消し、打線を大幅改造し、サイ・ヤング賞右腕バウアーから3点を奪った。だが、交流戦防御率0・00の先発才木が今季自己ワーストの4失点。チームは今季初の5連敗で、敵地横浜での連敗も13まで伸びた。

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ついに首位の座から転がり落ちた。試合中はベンチで不敵な笑みも見せていた岡田監督も前川が見逃し三振し敗戦が決まった瞬間、厳しい表情でベンチをあとにした。この日佐藤輝の出場選手登録を抹消。6月の打率は1割7分9厘と苦しむ大砲を2軍がいる名古屋へ合流させた。試合前には、このまま1軍で出続けても状態は上がってこないかと問われ「そうやろ」とバッサリ。鬼になって勝負の試合に臨んだが、屈辱の敗戦だ。

打線の大幅改造も実らなかった。2試合でわずか1点と湿り続ける打線は、67試合目で初めて近本を2番、1番に中野と入れ替えた。3番には前川を入れ、佐藤輝の定位置、「5番三塁」には糸原を、遊撃には小幡を使った。初対戦のバウアーについては「(制球が)アバウトやからな。ある程度高めのゾーン来るやろ。甘い球な」と話していた。5回2死一、二塁から3番前川が浮いたチェンジアップをとらえ右前適時打。続く4番大山も真ん中から逃げるスライダーに食らいつき中前へ連続適時打で一時1点差まで詰め寄った。7回にも近本の内野ゴロで3点目を奪い、7回途中でマウンドから降ろした。だが、リリーフ陣に無安打に封じられ、交流戦防御率0・00の先発才木の4失点は誤算だった。

敵地横浜へ乗り込む前に「まずひとつ勝てばいい」と指揮官は話していたが、交流戦優勝のDeNAを止められず、今季初の同一カード3連敗。横浜では13連敗となりセの敵地では99年~00年のナゴヤドーム(現バンテリンドーム)でのワーストに並んだ。今季初の5連敗。試合後、岡田監督は何も話さず球場をあとにした。

27日からの本拠地甲子園での中日3連戦の先発は西勇、大竹、村上と強力な3枚が並ぶ。佐藤輝、湯浅、青柳と主力が2軍再調整で苦しい状況が続くが、岡田虎にとってはまさに正念場。球宴までの残り18試合をDeNAとピタリ並走しながら、勝負の後半戦に向けてチームを立て直していくしかない。【石橋隆雄】

○…小幡が反撃の口火を切った。3点を追う5回に先頭打者で打席に立ち、DeNAバウアーから右前打。2得点につなげた。「ちっちゃな力かもしれないですけど。まあなんとか変わればなと思いました。負けたのは残念です」。1安打だけだったが、8日楽天戦以来の先発起用で意地を見せた。

○…糸原が今季初めて「三塁」で先発出場したが、3打数無安打に終わった。交流戦では2度、指名打者でスタメン起用されたが、佐藤輝の2軍降格で出番が巡ってきた。5番に座ったのも昨年8月11日DeNA戦以来。しかし5回2死一、三塁で遊ゴロに倒れるなど結果を残せず。「与えられたところで頑張るだけなので、また火曜日から頑張ります」と話した。