ひと振りで決めた。巨人丸佳浩外野手(34)が11年連続2ケタアーチとなる先制10号2ランをかっ飛ばした。」3回1死一塁、中日柳の初球113キロカーブを迷いなく振り抜いた。飛距離110メートルで右翼席中段に飛び込む先制打。ナインと丸ポーズで喜びを分かち合い「久しぶりにいい手応えでした。良い先制点になって良かったです」と振り返った。

3週間ぶりの1発だった。6月8日オリックス戦(京セラドーム大阪)で代打満塁ホームランを放ってからは、4戦4発。交流戦では3位タイの5本塁打で打率2割8分1厘、9打点と好成績をマークした。しかし、リーグ戦再開後はこの試合前まで6試合で19打数2安打で打率1割5厘。全143試合に出場した昨季に対して、直近7試合で2度のスタメン落ちを味わった中で迎えた一戦だった。

“安定の美学”がある。この1発で広島時代のプロ入り6年目の13年から11年連続となる2ケタ本塁打を達成。高水準の成績を安定して残し続けてきた。5年契約の最終年を迎えた1月には「複数年結んでいるからのんびりやっているわけでもないし、今年最終年だから気合入れてやるってわけでもない。ずっと一緒のモチベーション。変わりはないです」と強調した。軸となる心の持ちようは変わらない。

前日3日には同じ外野手の石川が、ロッテへトレード移籍が決定したと発表された。外野手はブレーク中の秋広や外国人助っ人のブリンソン、ウォーカー、けがから復帰した梶谷、5年ぶりに復帰した長野、現役ドラフトで新加入のオコエらがひしめくが、軸になるのは唯一開幕から1軍で出場を続ける丸。ベテランにさしかかったスラッガーが、チームを勢いに乗せる。【小早川宗一郎】

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