広島出身の全セの巨人中田翔内野手(34)が、地元凱旋(がいせん)オールスターで“中田節”をさく裂させた。

試合前に取材応対した中田翔は、めったにない故郷での球宴出場の巡り合わせに「まあ地元でね、できるというのは個人的にはうれしいことではありますし…」と前置きした上で「できればドームが良かったけど…」と猛暑の屋外球場にチクリ。狙うは日本ハム時代に全パの一員として出場した17年以来の本塁打か、と問われると「しっかりと自分のスイングができればいいかなと思いますけど。あとは本当に倒れないように気をつけたい。本当に、冗談抜きで」と暑さ対策を第一に掲げた。

19日の球宴第1戦(バンテリンドーム)は7回の守備から途中出場し、1打数無安打だった。9回に対戦したのは古巣日本ハムの後輩、加藤貴之投手(31)で、ストレート3球勝負で左飛に倒れた。「なんか打ちたかったな昨日…加藤。ど会心やったのに、こすってもうた。ま、シーズンだったら、まずあんな“マン振り”はしないけどね」と勝手知る後輩から1発を狙いながら仕留められなかったことを悔やんだ。

さらに、第1戦で印象に残った選手を問われると、絶好調の中田節はテンションもMAXに。「印象に残った選手…コンちゃん(ソフトバンク近藤)かなぁ。コンちゃん、やっぱすごくいいバッティングしていたし、外野の守備も、なんか変に必死に捕りに行ってたし…面白くないなと思いながら」と苦笑い。全セのメンバーの守備を引き合いにして「こっちはね、ちょっと佐野とかは左中間あたりの(打球を)、あえて捕らないようにゆっくり走ったりとかしてやっていたのに、あいつ必死に捕ったりして。あれは、あかんで。誰の当たりやったかな…誰が打ったやつやった…あ、そうそう梅ちゃん、梅ちゃん(阪神梅野)。あれは、あかんで、あれ。必死にやりすぎやろ、あいつ」と、こちらも古巣日本ハム時代の同僚で旧知の後輩、ソフトバンク近藤に強烈なダメ出しをするなど、地元広島での球宴にリラックスムードで試合に備えていた。