西武与座海人投手(27)が波に乗った。

8回を終え89球、無失点。「光成(高橋)が2試合連続(完封)で頑張ってたので、光成ばっかりずるいなと思って頑張りました」。104球で自身2度目の完封。球団35年ぶりとなる「マダックス」には5球多かったものの、前夜に高橋が自身の連続無失点を25イニングに伸ばしたのに続いて、9つの「0」を並べた。

3回無死、リチャードへの攻めが真骨頂だ。アンダースローからの変化球5球で3-2にし、最後はインハイ直球で空振り三振。「相手打者も多分頭の中にはある球なので、安売りせず大事なとこだけって感じで」。浮き上がるような軌道で、フルスイングとの交点を許さなかった。

独特の軌道、プラスアルファの工夫がある。「時差投球」だ。時にクイック、時に左足を上げてからわずかにためる。2軍調整時もそこを徹底して作り直し、豊田投手コーチにも「明らかに良くなった」とうならせた。前回登板で待望の今季1勝目を挙げ、より与座らしさが大胆に出た。2勝目の完封は「もう、気持ちいいですね。最高に」と味わい深い。最大18あったチームの借金も、ようやく1桁の9に。さらなる浮上へ、サブマリンが18・44メートルを支配する。【金子真仁】

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