DeNAトレバー・バウアー投手が待ちわびた登板に臨んだ。7月27日の前回登板から中6日。「中3日でもいける」が口癖だけに「前回投げた時を覚えてないぐらいだ」とアメリカンジョークを飛ばした。悩まされてきた副鼻腔(びくう)炎、のどの痛みも「ほとんど健康になった。前回投げた時より大分いい」と体調を回復してきた。

広島戦は今季4試合目の登板だが、マツダスタジアムでは初対戦となった。広島ファンのスクワット応援には「盛り上がってもらえると、より多くの力を出させてもらえる。逆に、僕に力を出させたくないなら、みんな静かに座って応援しているといい」とパワーをもらった。トランペットに合わせて歌う日本の応援はお気に入りで「米国では客が2000人ぐらいのチームもある。その中でプレーするのは難しい。野球の試合は世界中でどこでも、こういうスタイルの応援で盛り上がるといい」と話した。

野球に導いてくれ、感謝している両親が来日している。身長185センチは米国では大きい方ではない。「おそらく、これ以上は大きくならない。おなかが出ることはあるかもしれないが」と冗談を飛ばしつつ「大きくはないけど『一番、一生懸命取り組むことはできる』と教えられた」。名古屋では松阪牛ステーキをふるまったが、白星が最高のプレゼントになることは間違いない。

初回は2安打を打たれたが、リプレー検証で盗塁がアウトに覆ると波に乗った。4番上本を空振り三振させて無失点で切り抜けると、得意の「ソードセレブレーション」を披露。回を追うごとに球速も154キロまで上げて、2~7回まで無安打投球。「私の経験でいうと、プレーオフに行くチームと行かないチームの差は、才能や選手の能力が分けることはほとんどない。違うのは基礎的なことがしっかりやれるか」。ワールドシリーズ経験者が手本を示し、上位を追う切り札となる。【斎藤直樹】

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